浦和学院元監督・森士氏が見た埼玉大会 決勝は「紙一重、戦い方の差」 花咲徳栄は甲子園経験を生かせるか 41年ぶり4強の立教新座ら新勢力に期待「秋以降が楽しみ」
2021年夏まで浦和学院野球部の監督として30年間指揮を執り、現在は同校の副校長と、スポーツを通じた地域振興を目指すNPO法人ファイアーレッズメディカルスポーツクラブで理事長を務める森士(おさむ)氏が、第108回全国高校野球選手権埼玉大会を観戦した。長年、高校野球に携わり、埼玉県高校野球界をけん引してきた視点から大会を振り返る。
―大会を振り返っての印象は。
「秋、春と決勝を争った浦和学院と花咲徳栄。次いで力がある昌平と山村学園。その後を追う立教新座、大宮東、上尾、西武台。このあたりの力のあるチームを中心に、実力校が勝つべくして勝った大会だった」
―決勝を観戦して。
「今年の埼玉の高校野球の集大成といえる一戦だった。終盤までもつれる紙一重の戦いだったが、勝敗を分けたのは戦い方の差。花咲徳栄は準決勝以前を含め、決勝に向けた準備がうまかった。決勝でゲームリーダーとなる黒川君、佐伯君、岩井君らが力を発揮できた」
―花咲徳栄は今春のセンバツに続いての甲子園出場。
「センバツを見て、順調にいけば決勝まで行ける力があると思った。春に甲子園で戦った経験があると違う。選手にも監督にも経験値がある。甲子園での戦い方を確立して、大いなる活躍に期待したい」
―聖望学園、浦和実、前回王者の叡明など甲子園経験校が早い段階で敗退。
「埼玉全体のレベルが高いことを物語っている。聖望学園は昌平、叡明は浦和麗明にともに2回戦で敗れた。これから埼玉の勢力図をつくり変えようとするチームの勢いと、毎年勝ち上がる戦力を整えることの難しさを感じた」
―41年ぶり4強と立教新座が躍進した。
「もともとポテンシャルは高いチーム。例年、中等部からいい選手が入ってくる。そこに4月に就任した黒須監督の機動力野球がうまくかみ合い、粗削りだった部分がチームとして一体感が生まれたように見える。秋以降が楽しみなチーム」
―指名打者(DH)制が導入されて初めての夏。
「投手が休息を取れるのは大きなメリット。この暑さの中で、投げて打って、また投げるのは厳しい。春は打力の面で恩恵があったが、夏は投手のコンディションで功を奏した。今後はDH解除を含めてうまくルールを活用することが鍵となる」
―秋以降の勢力図をどうみるか。
「先ほど挙げた立教新座に加え、今大会で下級生が多く経験を積んだ上尾、西武台などが注目校。長らく埼玉の高校野球をリードしてきた浦和学院、花咲徳栄の牙城を崩せるか。昨年の浦和実や叡明のように新風を巻き起こすチームが現れることを楽しみにしている」











