埼玉新聞

 

現代版“わらの家”製作 ふじみ野の建設会社 「究極のエコロジー住宅」 土としっくいで塗り固め、解体すると土に

  • 永島利倫さん=23日、富士見市の近藤建設KonKonPark

    建築に使ったわらを手に「防火や調湿機能に優れ、日本の風土にも合っている」と話すプロジェクトリーダーの永島利倫さん=23日、富士見市の近藤建設KonKonPark

  • 【地図】ふじみ野市(背景薄緑)
  • 永島利倫さん=23日、富士見市の近藤建設KonKonPark
  • 【地図】ふじみ野市(背景薄緑)

 童話「三匹の子豚」に登場する“わらの家”ならぬ現代版「ストローベイル(わら)ハウス」のモデル棟が富士見市内に誕生し、23日に一般公開された。持続可能な開発目標(SDGs)の象徴として高度化を図るとしている。

 製作したのはふじみ野市の総合建設業「近藤建設」のグループ企業や協力会社の社員を含む有志25人。完成したモデルハウス「6畳の小屋」は延べ床面積9・93平方メートル。19世紀に米国ネブラスカ州で生まれたストローベイル工法を採用した。

 ストローベイルとは稲や麦など農業廃棄物のわら(ストロー)を約45センチ程度の厚みに圧縮・結束したブロック(ベイル)のこと。県産木造の躯体(くたい)にベイルを計90個分積み重ね、土としっくいで塗り固めた。解体すると土に返り、産業廃棄物をほとんど出さないため、「究極のエコロジー住宅」として再注目されている。

 製作のきっかけは、第10回県環境住宅賞(県住まいづくり協議会主催、2023年)のアイデア部門での優秀賞受賞。環境に貢献する新たな住まいの可能性を追求するモデルとして、昨年10月に計画がスタートし今月20日に完成した。専門の職人や外部業者に頼ることなく、土起こしから基礎の作製、わらの積み上げや土塗りまで各メンバーが仕事の合間を見ながら週1~2回程度のペースで交代で作業に当たったという。

 今後は省エネ性能を確認するため、温度計測を継続的に実施。一般的な6畳小屋の販売価格(250万円程度)に抑えられるよう調達方法を探り、セルフビルド製作キットの販売も検討する。プロジェクトリーダーの同社注文第一・分譲チームの永島利倫さんは「建材の地産地消で地域の持続的発展にも貢献したい」と意欲を見せた。

 ストローベイルハウスに再生可能エネルギーを活用することで建設時から居住、解体・廃棄までの生涯に排出される二酸化炭素(CO2)の総量をマイナスにするLCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅が実現。SDGsの象徴として高度化を図っていく。

 同社は川越市の伊佐沼付近で同工法による建物を集めた「ストローベイルハウスタウン」構想も視野に入れる。外国人観光客の長期滞在に対応できる宿泊施設やグリーンツーリズム、県内の伝統工芸体験と連動した新たな観光地モデルの確立も目指している。

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