埼玉新聞

 

高1で難病を発症 それでも仲間と甲子園を目指したい 川口市立の応援団長・松田悠汰さん 「支えてくれた人に感謝を込めて」スタンドから声を届ける

  • 川口市立の応援団長を務める松田悠汰さん=18日、レジデンシャルスタジアム大宮

    川口市立の応援団長を務める松田悠汰さん=18日、レジデンシャルスタジアム大宮

  • 川口市立の応援団長を務める松田悠汰さん=18日、レジデンシャルスタジアム大宮

 第108回全国高校野球選手権埼玉大会、18日にレジデンシャルスタジアム大宮で行われた4回戦で、Dシード川口市立は4―1で飯能に逆転勝利した。攻撃を勢いづけるスタンドからの大声援。応援団長としてスタンドをけん引する松田悠汰さん(3年)は、厚生労働省指定難病「成人スチル病」を抱えながらチームを鼓舞した。「支えてくれた両親、仲間たちへの感謝を込めて応援する」と自身の声に思いを乗せる。

 野球部に入部した悠汰さんの病気が判明したのは、高校1年の2月ごろ。突然、40度を超える高熱や頭痛など体調不良が続いた。家の近くの医療機関でも原因が分からず、検査入院をした結果、成人スチル病だと判明した。

 悠汰さんが「何が起こっているか分からなかった」と振り返るように、発症の原因は分かっていない。薬などで症状が出ない方法を模索している最中で、今でも高熱が出る時があるという。

 症状の一つである腹痛や吐き気の影響で、体重は75キロから一時は50キロほどまで減少。今年の春ごろからは、膝や股関節など下半身の骨の先端が壊死していることも判明し、痛みを感じるため、練習を控えている状況が続いている。

 それでも、闘病中の支えになったのは、両親やチームメートからの言葉だった。「(入院中は)病んでいてあまり記憶がないが、ずっと励ましの言葉をかけてくれていた。早くみんなと野球がしたかった」と、そばには大好きな野球が常にあった。

 現在は、選手にアドバイスをしたり、スコアラーやアナリストとしてデータ分析に携わる。チームを裏から支える役割を担い、「どれもチームの成長に必要なこと。何より野球に関われていることがうれしい」と語る。

 大谷豊監督は「困難を乗り越えて、チームのために働いてくれている。ある意味、チームの柱の一人だとみんなが思っている」。悠汰さんはチームにいなくてはならない存在だという。

 今年の夏は、自ら立候補して応援団長に就任。太鼓を手に、スタンドの応援を引っ張っている。悠汰さんは「まずはプレーしている選手を一番に考え、楽しく野球ができるように、自分の声で後押ししていきたい」と力強く話した。

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