長嶋さんに本塁打献上 熊谷高OB・福島さん 「高校野球は青春」 後輩たちのプレーにエール
全国高校野球選手権埼玉大会で、12日にハレスタ熊谷で狭山経済高と対戦した熊谷高の試合には、高校時代に長嶋茂雄さんにホームランを打たれた熊谷高OBの福島郁夫さん(90)=熊谷市=の姿がスタンドにあった。前日に90歳の誕生日を迎えた福島さんは「高校野球は青春」と語り、昨年6月に89歳で亡くなったプロ野球巨人の終身名誉監督と対戦した日を思い出しながら、後輩たちのプレーにエールを送った。
福島さんは秩父市出身。高校2年時の1953年8月1日、県営大宮公園球場で行われた全国高校野球選手権の南関東大会1回戦で、千葉県立佐倉第一高(現佐倉高)と対戦した。六回の長嶋さんの3打席目で、1ボール1ストライクからの3球目。内角高めの直球を低い打球でバックスクリーンへ運ばれた。新聞には飛距離「350フィート」(約107メートル)と記事が載り、長嶋さんの高校時代唯一の公式戦本塁打だった。
試合は4対1で熊谷高が勝利したが、この本塁打をきっかけに長嶋さんは立教大学へ。また遊撃手だった長嶋さんが三塁手のけがで公式戦で初めて三塁を守り、「4番、サード、長嶋」が誕生した伝説の試合となった。福島さんは卒業後、東映フライヤーズ(現北海道日本ハムファイターズ)に入団し、2年目に13勝したが、けがの影響もあって60年に引退。その後は埼玉に戻り、熊谷市の八木橋百貨店で勤務した。
今年6月には長嶋さんの一周忌に合わせて、追悼親善試合が千葉県佐倉市の長嶋茂雄記念岩名球場で行われ、熊谷高と佐倉高の現役野球部員同士が練習試合を実施。福島さんも試合観戦に駆け付けたほか、佐倉高も訪れて、当時対戦した試合のスコアブックも見ることができたという。「全てがミスターに73年前にホームランを打たれたおかげ」と笑顔を見せた。
母校が熊谷で試合をする際には応援に訪れていて、同日も久しぶりに会う後輩らとも交流を深めた。「やっぱり高校野球は青春で、迫力ある応援を聞くと、高校時代にすぐに戻ってしまう。毎年本当に楽しみにしていて、今は高校野球を見るために生きているようなもので、後輩たちには頑張ってもらいたい」と期待を込めていた。











