女性2人死亡…32歳無職の男に懲役10年判決 裁判長「承諾殺人でも最も重い部類」 殺人願望満たすためSNSで接触「人命の価値を軽視」と厳しく指摘 被告は法廷で「罪悪感もない」と語り、判決言い渡しにも動じず淡々
同意を得て横浜市と茨城県の女性2人を殺害したとして、承諾殺人などの罪に問われた、無職の男(32)の判決公判が17日、さいたま地裁で開かれ、井下田英樹裁判長は自己の殺人願望を満たすためだったとし、「人命の価値を軽視した特異なもので、厳しい非難に値する」と懲役10年(求刑・懲役13年)を言い渡した。
井下田裁判長は判決理由で、中学生の頃から殺人願望を抱くようになり、生きようとする者を襲って殺すのはよくないと考え、交流サイト(SNS)などで死にたい旨の書き込みをしている者に接触するようになったと指摘した。
被害者の弱っている気持ちに寄り添うかのようなメッセージを送って安心させつつ、具体的な準備や方法を提示。当初は死ぬことへのためらいもあった被害者の殺害を承諾する意志を強固にさせ、「殺害の承諾形成過程にも積極的に関与した」と認定した。
被告が被告人質問で「深く後悔しているとは言えず、罪悪感もない」と述べていたことから、井下田裁判長は「人命の価値を軽視した自己の問題性を理解していない」「承諾殺人では最も重い部類に属する事案で、刑事責任は重大」と非難した。
一方、被告が起訴内容を認めていることなどを考慮し、懲役10年が相当とした。
検察側は「死にたいという気持ちを高まらせ、強固な殺意があり、類を見ない悪質な犯行」として懲役13年を求刑。弁護側は、被害者が自殺願望を抱いており、被告が被害者を引き止める様子もあったことから「適切な量刑を判断してほしい」と主張していた。
判決によると、被告は横浜市の女性=当時(22)=の自宅で2015年10月22日、女性の同意を得て睡眠薬を飲ませて首を絞めるなどして殺害。18年1月4日、さいたま市大宮区の被告方で、茨城県の女性=当時(21)=を同様に殺害したとされる。
被告は黒色のボーダー柄のTシャツ、灰色のスウェットを着て出廷。眼鏡を着用し、長い髪は後ろに縛っていた。これまでの公判と同様、落ち着いた様子で証言台の前に立ち、懲役10年の判決が言い渡されても動じる様子はなかった。判決文の読み上げ中も時折、眼鏡を直しながら裁判長の声に耳を傾けていた。
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検察側が、横浜市の女性への承諾殺人罪で追起訴していたことが今年3月の初公判で判明した。これを受け、神奈川県警がこの女性の事件発生時に自殺と判断していたと明らかにし、幹部が「捜査が不十分だったことが明らかになり、遺族に謝罪した」と説明していた。判決後、県警は「本事案を教訓として再発防止策を徹底する」とのコメントを出した。











