埼玉新聞

 

倒れて心拍停止…ごみ収集中、同僚が男性の異変に気付く 手で心肺蘇生中、偶然AEDが手に入り一命

  • 贈呈された感謝状を持つ春日部環境衛生事業協同組合組合員の3人

 春日部消防署(春日部市)は2日、粗大ごみの収集作業中に心肺停止となった春日部環境衛生事業協同組合の40代男性を救命した同組合員3人に感謝状を贈った。表彰されたのは、石津哲也さん(37)、小林克雅さん(34)、小野沢佳明さん(31)。

 同組合では、AED(自動体外式除細動器)を搭載したごみ収集車を巡回させ、組合員は、普通救命講習会を受講している。今回はごみ収集車に搭載されたAEDを適切に使っての救命措置が功を奏した。

 先月24日午前10時半ごろ、同市大沼の住宅地で、ごみ収集車に石津さんと同乗していた男性が、粗大ごみを車両に運び込もうとした際、卒倒し心拍停止状態になった。

 車両で待機していた石津さんは、男性が戻ってこないのを不審に思い、様子を見にいき男性が倒れているのを発見。呼吸もなく、心臓も動いていなかったため、急いで119番し、手による心肺蘇生を行った。この時、AEDを搭載するごみ収集車が通りがかった。乗車していた小林さんと小野沢さんも救助に加わり、小林さんがAEDを操作し、小野沢さんは組合に連絡し、応援を依頼した。男性は病院に運ばれ、一命を取り留めた。

 同組合は、市と2016年に「AED搭載に関する協定」を締結し、27台の車両にAEDを搭載して巡回。組合員には普通救命講習会の受講を指導しほぼ全員が受講。3人も4月に2回目の講習会を受講した。石津さんは「講習を2回受け、やり方もしっかりと頭に入っていたことが大きかった」と振り返った。

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