埼玉新聞

 

酔った会社員、駅ホームから転落して意識不明 女性サーカス団員ら初対面の3人、連携して救助 県警が表彰

  • 右から真野署長、サビオ・アレッサンドラさん、ワン・テンペイさん

 浦和西署は2日、駅ホームから線路上に転落した男性を救助したとして、さいたま市桜区、中国国籍、男子大学生ワン・テンペイさん(21)、同緑区、イタリア国籍、女性サーカス団員サビオ・アレッサンドラさん(44)、同中央区、ブラジル国籍、男性飲食店員タケシ・ナカムラ・ダグラスさん(29)に感謝状を贈った。

 7月5日午後2時ごろ、JR埼京線南与野駅で、さいたま市中央区の50代会社員男性が酔っぱらってホームから線路上に転落。それぞれホームで電車待ちをしていた初対面の3人は、声を掛け合いながら連携し、男性の人命救助に貢献した。

 サビオさんは、男性がふらつきながらホームから転落するのを目撃。すぐさま、非常停止ボタンを押し、近くにいたワンさんとタケシさんに応援を求めた。

 ワンさんとタケシさんは、ホームから線路上に降りて、意識不明の男性に大声で呼び掛けたり、首を上げて気道を確保するなど一時救命措置を行った。

 感謝状贈呈には、ワンさんとサビオさんが出席。夏季に2年間、海などでライフセーバーを経験したワンさんは「人命救助は慣れている。とっさに体が反応した」と振り返った。

 木下大サーカスの公演で、マジックやイリュージョンショーなどを披露している、在住12年目のサビオさんは、非常停止ボタンを押した時、それが正しい行動だったのか心配だったという。今回、感謝状を贈られたことで、「正しいことをしてよかった」とすがすがしい表情だった。

 真野益夫署長は「みんなで声を掛け合い、人助けをするのには勇気がいる。判断も行動も素晴らしかった」と3人をたたえた。

ツイート シェア シェア