埼玉新聞

 

鉄腕アトムや鉄人28号をデザインのお年玉袋も 大正―昭和初期の世相反映したポチ袋、行田で収集展

  • 収集したポチ袋、お年玉袋などを展示している栗原喜文さん=行田市行田の武蔵野銀行行田支店

 「何でもコレクター」と称し、昔のおもちゃなどを収集している行田市棚田町の栗原喜文さん(68)が、同市行田の武蔵野銀行行田支店で31日まで、正月をテーマにしたロビー展を開いている。大正~昭和初期に使われ、当時の風俗や世相を反映したポチ袋、お年玉袋を中心に約160点を展示している。

 栗原さんは8歳の頃から、映画のポスターや絵本、すごろく、人形などを集め始めた。30代になって「古き良きものを後世に残したい」という思いが強まり、活動を本格化。骨董(こっとう)市を回ったり、知人から譲り受けるなどして集めた品々は数万点に上る。

 コレクションを活用してまちや店を元気にしようと、同市や熊谷市などで約130回の収集展を開催。今回は新春企画として、ポチ袋とお年玉袋をはじめ、福笑い、めんこ、和人形、羽子板などを展示している。

 傘や屋台、だるまなど当時の生活様式が描かれたポチ袋は、時代をさかのぼるほど絵柄が豪華になっていく。料亭の客が女将や女中らに配るご祝儀袋として使われていたといい、栗原さんは「昔の人はチップの中身よりも、袋のおしゃれを競うのが粋だと考えていた」と想像する。お年玉袋には鉄腕アトムや鉄人28号など、往年の人気アニメキャラクターがデザインされている。

 栗原さんは「今は物があふれ、要らなくなれば、すぐ捨てられてしまう時代。展示を通じて昔の生活を知ってもらい、物を大切しようという気持ちになってもらえたら」と話している。

 問い合わせは、栗原さん(電話090・1535・4460)へ。

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