埼玉新聞

 

【連載】<高校野球>埼玉大会 今年から導入、勝負の鍵DH 各チームの対応は 徳栄「ツープラトンDH」 浦学「万能型の運用」

  • 【ちなみ】野球場=イラスト

    野球場イメージ

  • 自ら選手にトスを上げる花咲徳栄の岩井隆監督

    自ら選手にトスを上げる花咲徳栄の岩井隆監督

  • 試合後のミーティングで話す浦和学院の森大監督

    試合後のミーティングで話す浦和学院の森大監督

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  • 自ら選手にトスを上げる花咲徳栄の岩井隆監督
  • 試合後のミーティングで話す浦和学院の森大監督

 第108回全国高校野球選手権埼玉大会は7月8日に開幕する。今年から高校野球は指名打者(DH)制を導入。春季大会では各チームが新ルールでの実戦経験を積んだ。ルールが変われば、新たな戦術が生まれる。DH制を巡る各校の選択に迫る。

■攻撃力を最大化へ

 高校野球で初めてDH制が導入された今春のセンバツに出場した花咲徳栄は、岩井隆監督が「ツープラトンDH」と名付ける戦術で得点力を高める。DHと代走は2人一組。打力がある選手が打席に立ち、出塁すれば代走を出す。次打席では新しく代打を出すサイクルで攻撃力を最大化する。

 3月21日、センバツ初戦の東洋大姫路戦では、走力を買われてメンバー入りした代走の更科遥陽が内野ゴロで二塁から本塁に生還して決勝点をもぎ取った。「姫路戦みたいに代走が増えたことによる恩恵がある」と効果を実感する。

 控え選手の位置付けが変わった。「今までは背番号2桁には準レギュラーが入っていた。今年からはスペシャリストが必要になる」。勝負どころで起用される個性豊かな選手たちが試合を動かすキーマンになる。

■臨機応変の万能型

 DH制の春季大会で関東大会決勝まで戦った浦和学院は、打線を厚くするだけでなく、DH解除も含めた柔軟な起用で状況に応じた選択肢を取る。森大監督は「使える選手とバリエーションが増えた。メリットしかない」と利点を強調する。

 投手兼野手が多い浦和学院ならではの戦術だ。遊撃手の伊藤漣、外野手の西村虎龍、鈴木謙心、城間琥珀らは守備位置からマウンドに上がる場合が多い。そのため、守備の穴を埋める要員として複数ポジションを守れる選手がベンチに入る。

 「打力を示した春の通りに勝つのがベスト。万が一接戦になっても勝てるように」とあらゆる試合展開を想定。基本はDHに好打者を置いて得点を狙いに行くが、我慢の展開ではDHを解除し継投と守備固めで守り勝つ万能型の運用となる。

■いつ、どこに、誰を

 両校の戦術に違いはあるが、両指揮官が口をそろえるのは「夏は総力戦」という言葉。DH制の導入により控え選手の出場機会が増え、文字通り総動員での戦いになる。

 選手層が厚い両校は新ルールを強みに変換しているが、チームの数だけ戦術がある。いつ、どこに、誰を入れるのか。DHを絡めた選手の起用法によって選手たちの活躍の幅が増える今夏の注目ポイントになりそうだ。

【指名打者(DH)制】 攻撃時に投手に代わって打撃専門の打者を使える制度。試合前に指名しなかった場合は試合途中で指名打者を使えない。指名打者に代打、代走を送った場合、交代後の選手が指名打者の役割を引き継ぐ。指名打者が守備に就いた場合や投手が他の守備に就いた場合、他の守備に就いていた選手が投手になった場合などは指名打者は消滅する。「DH」はDESIGNATED HITTERの頭文字。

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