埼玉の医療 埼玉県立小児医療センター、髄腔内注射再開へ 7月初旬から 安全確保へダブルチェック体制の導入など整備
県立小児医療センター(埼玉県さいたま市)で白血病患者5人が抗がん剤の髄腔(ずいくう)内注射後に神経症状を発症し、うち1人が死亡、3人の髄液から髄腔内注射に使用されない「ビンクリスチン」が検出された問題で、同センターは29日、昨年11月以降原則中止してきた髄腔内注射と、同治療を必要とする患者の入院受け入れを7月初旬から再開すると明らかにした。患者ごとの治療スケジュールや意向を踏まえ、早ければ30日から患者や家族への説明を行っていく。
同センターの岡明病院長が29日の県議会福祉保健医療委員会で言及した。同委員会後、岡病院長は再開に向け、「(患者・家族への)思いを忘れることはできない」とした上で、「全ての工程に関して多層的な対策を取って、安全を確保する再発防止策を策定した。患者、家族、社会に対しての責任を持って再開する」と決意をにじませた。
再開に当たっては、医療事故調査委員会が再発防止上の重要項目と位置付けた薬剤調製から、残薬廃棄まで一連の工程において、時間的・空間的分離の徹底や薬剤師2人によるダブルチェック体制の導入などの体制を整備。22日にさいたま市の保健所、23日に県保健医療部による現地確認を受けた。
再発防止策の一つであるビンカアルカロイド系抗がん剤のミニバッグ化推進については、小児がん患者の年齢や体重などに応じて使用する抗がん剤の種類、投与量・経路・日程、休薬期間などを定めた「レジメン」を修正していく作業を必要とするため、2026年度内の完成を目指す。
12日に概要を明らかにしていた医療事故調査委員会の報告書についても、個人の特定につながる非開示情報を除いて公表した。髄腔内注射の実施に関し、年3回、医療安全管理委員会による監査を実施し、同マニュアルの見直し・改訂を継続する。
複数の事例に関わり、心理的負担を抱えていると判断されたスタッフの担当業務を変更するほか、業務の安全性と透明化を考慮し、髄腔内注射薬のシリンジ搬送を担っていた委託業者を搬送業務から外して職員に専任させる。小児医療センター内に医療安全推進幹を設置し、病院のガバナンス体制の強化と医療安全の質の底上げを図る。











