埼玉新聞

 

<伊奈工場火災>爆発音や火柱…近隣住民、不安の一夜 渦巻く炎、飛び散る火の粉「身の危険感じた」

  • 猛烈な火柱を上げるDIC工場(伊奈町小室)の火災。右手前は新幹線=3日午後8時30分ごろ、さいたま市北区吉野町の埼玉新聞本社から

  • 火がほぼ消し止められた火災現場=4日午後4時半ごろ、伊奈町

 3日午後7時半ごろ、伊奈町小室の化学メーカー「DIC」埼玉工場から火災が発生、敷地内の危険物屋内貯蔵所約718平方メートルが全焼した。火は翌日朝まで燃え続け、4日午後6時15分に鎮火が確認された。けが人はいなかった。

■最初は花火かと…爆発音で異変感じた

 3日夜に伊奈町小室の化学メーカー「DIC」工場で起きた火災。現場では時折、爆発音が聞こえ、勢いよく立ち上る炎に近隣住民は不安の一夜を過ごした。

 仕事の取引先として同工場を頻繁に訪れていた40代の男性は、午後7時半すぎに黒煙を見た。「いつも行っている場所なので、まさか燃えているとは」と驚きを隠せない様子。火災現場から約1キロ離れた同町本町に住む50代女性は、自宅の2階からも炎がはっきりと見えたという。「何かと思って近くへ行ったら、炎が渦を巻いて、ものすごい勢いだった。火の粉が飛び散り、身の危険を感じるくらいだった」

 工場から約500メートル離れた同町小室に住む50代男性は午後7時半ごろ、自宅で外を見ると「空が明るいので最初は花火かと思ったが、爆発音で異変を感じた」と言う。現場に行くと、まだ消防車も到着していなく、急いで消防車を呼んだという。

 「自宅の車の上にも灰が積もっていた。火柱が高さ30メートル以上、立っていたのでは。いつ爆発が起きるのか心配」と不安そうな様子で話していた。

ツイート シェア シェア