埼玉新聞

 

「これが段ボール?」…埼玉・伊奈の工場 段ボールをデザイン ハンドバッグ、テーブル、いす、おもちゃなどネットで販売

  • ハンドバッグや宝箱などさまざまなデザインと形の段ボール製品

    ハンドバッグや宝箱などさまざまなデザインと形の段ボール製品

  • 「段ボールはまだまだ可能性がある」と話す奧田敏光社長=伊奈町西小針の「アースダンボール」

    「段ボールはまだまだ可能性がある」と話す奧田敏光社長=伊奈町西小針の「アースダンボール」

  • ハンドバッグや宝箱などさまざまなデザインと形の段ボール製品
  • 「段ボールはまだまだ可能性がある」と話す奧田敏光社長=伊奈町西小針の「アースダンボール」

 ハンドバッグにテーブルやいす、おもちゃ…。「これが段ボール?」と思わず声を上げてしまいそうなデザイン性の高い段ボール製品。製造するのは伊奈町に本社のあるボックスメーカー「アースダンボール」。色や形、大きさなど1個からオーダーメードできるネット通販で急成長。梱包(こんぽう)材のイメージを覆し、新しい段ボールの可能性を追求し続けている。

■ネットで売り上げ10倍

 創業は1953年。奥田敏光社長(66)の祖父が新座市でスリッパ製造業を営んでいたのがルーツ。その後、段ボール事業に転じた。2000年、伊奈町に本社を移し、3代目となる奧田社長が就任した。

 力を入れたのはネット通販。1996年から開始し、現在年間10万件以上の注文を受ける。成功の秘訣(ひけつ)は、個別原価計算を精密に行うシステムを社長自ら開発し、インターネット上で簡単に見積もりできる仕組みを作ったこと。それによって小ロット(製品の製造や取り扱いの数量が少ないこと)の注文に対応でき、小規模事業者のニーズに応えられるようになった。

 「通販を始めた当初はまだインフラが整ってなかったので、100件くらいの顧客しかいなかった」と振り返る。ハンドメード作家など個人売買する事業者に、段ボールを保管せず都度利用できる販売方法が浸透。さらにネット環境の整備も進み、10年ほど前から売り上げは急増、当初の約10倍になった。「ジャストサイズの箱を在庫で選べるほか、オーダーメードやセミオーダーもできるのが強み」と奧田社長は言う。

■高い印刷技術

 かつて段ボールといえば、企業や店舗のバックヤードに運ばれるものだった。しかし今や消費者に直接届けられる段ボールには「個性」がある。中身とニーズに合わせて変化する段ボール。それを実現するのが印刷技術だ。

 製造工程は原材料となる原紙をカットし、印刷し、貼り合わせるのが基本。本社および蓮田市、福岡市にある工場では、さまざまな機械が稼働する。その一つ、印刷しながらカットするプリンタースロッターに、インクを均一に転移させるオランダ製の精巧部品「アニロックスロール」を15年前、国内で初めて導入した。こうした高精度の機械を使いこなし、常時5千種類以上の品ぞろえを可能にしている。

 大ロットには従来通り樹脂などで作った版を使う「フレキソ印刷」を行い、分速450枚というスピードでコストを下げる。小ロットには直接カラーインクを吹き付ける「インクジェット印刷」を用いて自由に対応する。

 このインクジェット印刷がデザイン段ボールを生み出す。著作権の切れた名画をプリントした絵画段ボールや果物、野菜など商品の絵柄をデザインしたもの、さらには宝箱も。サイズ2メートルを超えるものから3センチ角、厚さ1・5ミリの小ささまで自在に選べる。

 商品の企画、製造、販売と一貫運営していることが同社の特徴。「お客さんに信頼してもらい、喜んでもらえることがうれしい」と奧田社長。毎朝、ネットの消費者の声を読むのを日課にしている。

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 アースダンボール 伊奈町西小針7の17▽電話048・728・9202

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