埼玉新聞

 

実は全国2位 「深谷ブロッコリー」、ネギに次ぐ名産へ 指定野菜に追加で追い風 「茎まで甘くておいしい」

  • 春の深谷ブロッコリーを収穫した篠崎祭さん=5月2日、深谷市榛沢

    春の深谷ブロッコリーを収穫した篠崎祭さん=5月2日、深谷市榛沢

  • 当日収穫された深谷ブロッコリーの販売を行う道の駅おかべ=深谷市岡

    当日収穫された深谷ブロッコリーの販売を行う道の駅おかべ=深谷市岡

  • 春の深谷ブロッコリーを収穫した篠崎祭さん=5月2日、深谷市榛沢
  • 当日収穫された深谷ブロッコリーの販売を行う道の駅おかべ=深谷市岡

 ブロッコリーが4月から生活に欠かせない野菜として「指定野菜」に追加された。新たな追加は1974年のバレイショ(ジャガイモ)以来52年ぶり。県内のブロッコリーは2024年の出荷量、収穫量ともに全国2位で、特に深谷市は一大産地の一つとして知られる。市内の生産者や関係者からは歓迎の声が聞かれ、「深谷ネギ」に次ぎ、「深谷ブロッコリー」の名称でイベントが開催されるなどにぎわいを見せている。

 農林水産省によると、ブロッコリーの1人当たりの年間購入量は1990年の540グラムに対して、2022年は1619グラムと約3倍に増えている。人口減でキャベツなどの野菜の出荷量が横ばいや減少傾向になる一方、ブロッコリーは右肩上がりで増加。全国の作付面積は22年度が1万7200ヘクタールで11年連続の過去最高記録を更新した。22年の出荷量は15万7100トンで、32年前の7万7千トンから約2倍に増加した。

 県などによると、県内ではクワの生産衰退を機にブロッコリーの栽培が県北地域を中心に盛んになった。深谷市内の20年度の作付面積は615ヘクタール。23年の産出額は22億8千万円で、いずれも全国1位だった。

■茎まで甘い

 深谷市榛沢でブロッコリーなどを栽培する農家の篠崎祭さんは、「指定野菜に選ばれてブロッコリーを育てる農家が増えた気がする。深谷ブロッコリーの魅力がもっと広まればうれしい」と喜んだ。春に収穫される深谷ブロッコリーは越冬した分、柔らかい食感が特徴。日中は光合成に体力を使用して鮮度が落ちる恐れがあることから、ヘッドライトを着けて未明から早朝にかけて収穫するという。

 篠崎さんによると、深谷市は平たんな土地で川も近いため土が硬過ぎず、柔らか過ぎることもなくブロッコリー栽培に適している。栄養分が逃げないように蒸して食べるのがお薦めで、「深谷ブロッコリーは茎まで甘くておいしい。余すところなく食べ続けてほしい」と笑顔を見せる。

■道の駅で新鮮料理

 「道の駅おかべ」(深谷市)では深谷ブロッコリーを知ってもらおうと、19年から「ブロッコリーブーストBBフェア」を春に開催。今年は5月10日まで開催された。

 市内の農家がその日に収穫したブロッコリーの販売や、併設するレストランなどで深谷ブロッコリーを使用したピザやスムージー、かき揚げなどさまざまな創作料理が提供された。駅内の販売エリアには、指定野菜に指定されたことや栄養価、簡単に調理できるレシピなどを知らせるのぼりなどの掲示物も設置。多くの客がブロッコリーを手に取り、採れたての新鮮さを生かした料理を堪能した。

■「全国に広まれば」

 運営する「ふかや物産観光」によると、道の駅に出荷されている春ブロッコリーは多い日で1日千個に上る。同じ生産者から1日に2~3回出荷されることもあるという。市内の60代女性は「地元の特産品が指定野菜になってうれしい。おいしくて体に良く、アレンジもしやすい。もっと深谷ブロッコリーが全国に広まれば」と笑顔を見せた。

 ブロッコリーは指定野菜に選ばれたことだけでなく、健康面でも注目されている。ふかや物産観光の担当者は、タンパク質や老化などの予防にも良いビタミンCなど具体的な栄養価をいくつか挙げる。「ブロッコリーは栄養価が高く調理も簡単。深谷はネギのイメージが強いが、深谷ブロッコリーも市の名産として食べて知ってほしい」と呼びかけている。

【指定野菜】 野菜生産出荷安定法に基づいて、消費量の多さや今後の需要などを判断材料にして決められる国民の生活に欠かせない野菜。消費者への安定した供給の確保を図るために、指定された産地での計画的な生産、出荷の推進や、価格の低落時に生産者へ補助金の交付などが行われる。キャベツやネギなど15品目が登録されており、新たに追加されるのは、1974年のジャガイモ以来。

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