埼玉新聞

 

川越の伝統織物で極上の旅を 「川越唐桟(とうざん)」、客室着に JR豪華寝台列車「トランスイート四季島」に採用 デザイン含めオール埼玉のパジャマ

  • 川越の伝統的な綿織物で極上の旅を JRの豪華寝台列車に採用

    JR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」に採用された川越唐桟の車内客室着を紹介する笠間美寛さん=5月30日午前、川越市仲町

  • 川越の伝統的な綿織物で極上の旅を JRの豪華寝台列車に採用

 川越市の伝統的な綿織物「川越唐桟(とうざん)」のパジャマが、JR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」の車内客室着として採用された。同市仲町の呉服店「呉服笠間」や飯能市の織物業「マルナカ」(中里明宏社長)などが共同で開発した、洋服仕立ての一品だ。呉服笠間店主の笠間美寛さん(51)は「四季島の乗客が心からリラックスし、極上の旅を楽しんでもらえることを願っている」と話している。

 川越唐桟は江戸時代後期から明治時代にかけて、川越の商人によって江戸に流通した。極細の糸を使い高密度で平織りされた生地は、絹のようなつややかで柔らかな肌触りを特徴としている。

 トランスイート四季島には車内でくつろぐ際のウエアとして、既に川越唐桟を用いた浴衣が導入されていた。「乗客がよりくつろげるようパジャマを導入したい」とのJR東側の提案を受け、およそ2年がかりで制作されたのが、上下のセパレートタイプのパジャマだ。

 呉服笠間が仕立てを監修し、マルナカで生地を織り上げた。幅1・2メートルの生地は高度な技術を用いて、中心から端までをゆがみや縮みのない品質に作り上げた。パジャマのデザインは商品開発などを手がける川越市の「リンテクト・ジャパン」が担った。

 生地の柄は四季島をイメージした緑とベージュ、金色からなるオリジナルの粋な縦じま模様。ラグラン袖や縁のシャンパンゴールドのパイピングなど、細部にまでこだわりをちりばめたという。

 笠間さんは「呉服一筋だった私たちにとって、洋服仕立てのパジャマを手がけることは大きな挑戦だった」と振り返り、「デザインも含めオール埼玉でできた」と語る。

 パジャマは5月1日から四季島に導入された。JR東からは「とても着やすい」との報告を受けているという。笠間さんは「パジャマを作るノウハウも得た。時代に合わせて手に取りやすい衣類を展開できればと思う」と話していた。

 トランスイート四季島は2017年に運行を開始。開放的な窓やスイートルームを備え、2泊3日などの周遊コースがあり、旅行客に親しまれている。

 【川越唐桟】 幕末の開国の時期に川越の織物商が、産業革命によって大量生産されるようになった欧米の細い木綿糸を仕入れ、川越周辺で綿織物(唐桟)を製造した。良質で安価な唐桟は「川唐」と呼ばれ、江戸で人気を博した。「川唐」は川越に富を築き、川越市内の蔵造りには当時の織物商が建てた建物も残る。

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