埼玉新聞

 

好きを楽しみ30周年 近藤良平さん主宰のダンスカンパニー「コンドルズ」 さいたま芸術劇場で新作公演

  • コンドルズ主宰の近藤良平さん(右)とプロデューサーを務める勝山康晴さん=3日、彩の国さいたま芸術劇場

    コンドルズ主宰の近藤良平さん(右)とプロデューサーを務める勝山康晴さん=3日、彩の国さいたま芸術劇場

  • 2025年のコンドルズ埼玉公演「BORN TO RUN」より(C)HARU(彩の国さいたま芸術劇場提供)

    2025年のコンドルズ埼玉公演「BORN TO RUN」より(C)HARU(彩の国さいたま芸術劇場提供)

  • コンドルズ主宰の近藤良平さん(右)とプロデューサーを務める勝山康晴さん=3日、彩の国さいたま芸術劇場
  • 2025年のコンドルズ埼玉公演「BORN TO RUN」より(C)HARU(彩の国さいたま芸術劇場提供)

 学ランがトレードマークの男性ダンスカンパニー「コンドルズ」が結成30周年を迎えた。新作「ALL YOU NEED IS LOVE」を12~14日、彩の国さいたま芸術劇場(さいたま市中央区)で上演する。結成以来、踊るだけでなく、コントや人形劇、生演奏など自分たちが面白いと思うものを追求し、観客を魅了してきた。ダンサーで主宰の近藤良平さん(57)は「メンバーがほぼ変わらず、30年続いているダンスカンパニーは稀有(けう)」と語る。

 コンドルズは、2006年から同劇場で毎年のように新作を上演しており、埼玉と縁の深いカンパニーだ。19作目となる新作のタイトルは、ビートルズの名曲「愛こそはすべて」にちなむ。世界情勢の不安定さや社会の閉塞(へいそく)感が増す中、あえて「愛」を掲げた。メンバーの勝山康晴さん(55)は「今、誰かが言うべきこと。タイトルはこれしかないと決まった」と意気込む。

■好きなこと全部やる

 世界約30カ国、日本各地で公演を重ねてきたコンドルズ。始まりは大学時代にさかのぼる。横浜国立大のダンス部だった近藤さんは、大会で出会った他大学の男性部員らと意気投合。1996年に勝山さんら6人でコンドルズを結成する。

 勝山さんはこの時の“原点”ともいえるやりとりを明かす。旗揚げ公演を前に内容を尋ねたところ、近藤さんは「踊ったり、人形劇やったり」と答えた。「ダンス公演ですよね」と驚くと、近藤さんは「なぜジャンルを分けてやっちゃいけないことがあるのか、俺には分からない。好きなことを全部やって、みんなが楽しめればいいじゃん」と返ってきたという。

 幕を開けると、都内の小劇場は定員を超える観客であふれた。費用を抑えるため衣装は学ラン。人形劇や演奏を交えた舞台は「バカ受け」だったという。近藤さんは「人形や楽器、身の回りにある好きなものをずっと使っている。やっていることは変わらない」と振り返る。

■圧倒的チームワーク

 メンバーは発足時から活動を続ける50代を中心に、38~62歳の15人。バーのマスターや俳優、IT企業社長と、別の職業を持ち、体重100キロを超える人もいる。年齢も体形も得意技も異なる仲間が、それぞれの個性を生かして舞台をつくっているのが特徴だ。ダンス技術もメンバーによって差があるが、稽古では、自由に意見を交わし、創作しているという。

 勝山さんは30年続いた理由を「チームワーク」とみる。メンバーだけでなく、チラシのデザインや照明など舞台を支えるスタッフも長年変わらない。「お客さんは作品だけでなく、このチームワークを見に来ているのでは。何も変えない強さ。これを30年続けているので圧倒的なチームワークが生まれた。そして良平さんの人徳でしょう」と話す。

 近藤さんは「普通のダンスカンパニーなら年齢や体力を理由にやめるかもしれない。でも僕らは『老い』さえも遊び心いっぱいのネタにする。『またやろう』がずっと続いてるんです」と笑った。

 一般S席5500円など。チケットの問い合わせは、SAFチケットセンター(電話0570・064・939)へ。

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