埼玉新聞

 

埼玉で初…革製の袋を模した陶質土器の須恵器、行田・愛宕山古墳から出土 確実に古墳から出土したものは関東地方で初 西日本地域と交流示すと注目 7月から初公開へ

  • 愛宕山古墳の皮袋形須恵器(正面)【右】愛宕山古墳の皮袋形須恵器の復元図。濃色は今回見つかった部分(いずれも県立さきたま史跡の博物館提供)

    愛宕山古墳の皮袋形須恵器(正面)【右】愛宕山古墳の皮袋形須恵器の復元図。濃色は今回見つかった部分(いずれも県立さきたま史跡の博物館提供)

  • 【地図】行田市(背景薄緑)

    行田市の位置

  • 愛宕山古墳の皮袋形須恵器(正面)【右】愛宕山古墳の皮袋形須恵器の復元図。濃色は今回見つかった部分(いずれも県立さきたま史跡の博物館提供)
  • 【地図】行田市(背景薄緑)

 行田市埼玉の県立さきたま史跡の博物館は5日、特別史跡埼玉古墳群の愛宕山古墳で、革製の袋を模した陶質土器の須恵器「皮袋形須恵器」が県内で初出土したと発表した。皮袋形須恵器にはさまざまな形態や文様があり、その多くは近畿地方以西の地域に見られる。東日本出土と伝わるものには長野県や栃木県の例があるものの、確実に古墳から出土したものとしては同古墳での発見が関東地方で初。同館は「愛宕山古墳での出土は埼玉古墳群と西日本諸地域との地域間の交流を示すものとして注目される」としている。

 同館によると、愛宕山古墳は埼玉古墳群で最小の前方後円墳。同館では同古墳群の保存活用のため、2021年度から同古墳の発掘調査と出土品の整理を進めてきた。24年度の発掘調査で出土した遺物を整理、復元したところ、県内初となる皮袋形須恵器であることが判明した。

 朝鮮半島伝来の新技術による焼き物の須恵器には、鳥や器物をかたどったものがまれに見られる。皮袋形須恵器もその一つで、革製の巾着のような形をし、縫い目などの表現があり、貯蔵用の器の一種で液体を入れたと考えられる。同古墳の皮袋形須恵器は右半分のみ見つかっているが、形は縦長、裾に向かって緩やかに広がる形で、粘土で革の合わせ目やひもを表現している。また表面にはC字形のスタンプ文も施されている。

 皮袋形須恵器は墳丘東側のくびれ部付近の内堀の中から、高坏(たかつき)や甕(かめ)などほかの須恵器とともに出土。同古墳のくびれ部には造出(つくりだ)し(墳丘に取り付く突出部)は確認できなかったが、前方後円墳のくびれ部はさまざまな儀礼の場でもあり、そうした儀礼との関係も想定されるという。

 発見された皮袋形須恵器は7月11日~8月30日、同館企画展「埼玉の考古おひろめ展『地中からのメッセージ』」で初公開される。

 問い合わせは、同館(電話048・559・1181)へ。

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