埼玉新聞

 

J1浦和・GK西川、日本代表の背番号1へエール「彩艶の力を世界で証明して」 ユース時代の鈴木彩艶に将来性…自分を脅かす存在になる 浦和の守護神がライバルと意識、影響を受けた姿勢とは

  • トレーニング後、日本代表の鈴木彩艶にエールを送る浦和の西川周作

    トレーニング後、日本代表の鈴木彩艶にエールを送る浦和の西川周作=5月29日、大原サッカー場

  • トレーニング後、日本代表の鈴木彩艶にエールを送る浦和の西川周作

 2014年のサッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会日本代表で浦和の正GKとしてゴールを守り続ける西川周作に、W杯北中米大会で日本代表の背番号1をつけるGK鈴木彩艶(パルマ)=さいたま市出身=の話を聞いた。浦和で一緒に過ごした約5年間、その背中と言葉で守護神の神髄を示してきた西川は「彩艶の力を世界で証明してほしい」とかつてのチームメートにエールを送った。

 14年から浦和に所属する西川が初めて会ったのは、鈴木彩が小学生の頃。浦和のトップチームの練習を見学に来たあどけなさが残る小学生の印象を「当時から礼儀正しかった。体の線が細くて、かわいらしい感じだった」と振り返る。

 その数年後、浦和の下部組織である浦和ユース(高校年代)に所属していた鈴木彩と再会。力強いプレーを目の当たりにし、「間違いなくトップチームに上がってくる。(自身を)脅かす存在になる」と将来性を感じ取った。

 19年に鈴木彩が16歳5カ月でクラブとプロ契約し、24年に海外移籍するまで正GKと控えGKという間柄で行動を共にした。常に学ぶ姿勢とチャレンジする行動力、素直な性格に触れ、「彼と練習することで自分自身の意識も変わった」と影響を受けた。

 全体トレーニングの前後にも練習に励み、筋力アップなどを重ねる姿も見続けてきた。身長190センチ、体重100キロの屈強な体に成長した姿を見て、「彼の努力の証し」と言い切る。スパイクやグローブの手入れなど、用具を大切にしている姿にも感銘を受けたという。

 21年のシーズンは、明確にライバルだと意識した。当時のチームを指揮したロドリゲス監督の方針でリーグ戦は西川、カップ戦は鈴木彩と分けて起用されることが多かった。「彩艶にポジションを取られる」と緊張感を高めながら2人で切磋琢磨(せっさたくま)してきた。

 正GKの座を争う相手でありながらもかわいい後輩であることには変わりなかった。試合前はお互いに「エンジョイ」という言葉をかけ合いながら、士気を高めてきた。18日に40歳を迎えるベテランは「若い頃にベテランの選手から的確なアドバイスをもらった。彩艶のためになってもらえれば」と自身の貴重な経験を伝えてきた。

 かつてのW杯戦士であり、浦和のゴールを10年以上も守り続けてきた守護神は「彩艶のフィードが好き。大きく蹴るだけでなく、相手との駆け引きで独特の間をつくれる」と、持ち味の一つに注目している。

 現在、イタリア1部セリエAのパルマで正GKとして活躍する鈴木彩とは、浦和戦の観戦に訪れた際に会う程度だが、一緒にプレーした時間を財産にしている。「W杯でこれまで日本が見たことのない景色を見てみたい」。日本の守護神へと成長を遂げた鈴木彩が、日本代表を世界の8強以上へ連れていってくれると信じている。

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