埼玉新聞

 

川口ケアマネ殺害…厚労省が事件受け再発防止に向け通知 埼玉の訪問看護「不安に思っている人多い」、人手不足が深刻化「担い手を増やして」

  • 6月3日に厚労省が通知した在宅介護従事者の安全確保をめぐる文書

    6月3日に厚労省が自治体に通知した在宅介護従事者の安全確保をめぐる文書

  • 【地図】川口市

    川口市の位置

  • 6月3日に厚労省が通知した在宅介護従事者の安全確保をめぐる文書
  • 【地図】川口市

 川口市飯原町の住宅で1日午後、住人の無職男(60)が訪問した介護支援専門員女性の首を刺して殺害し、その後自身の首を刺して死亡したとされる殺人事件で、厚生労働省は4日までに、在宅介護従事者に対し再発防止を徹底するよう自治体に通知した。通知は3日付。事件を受け、ケアマネジャーらが介護サービス利用者の自宅を複数人で訪問した場合の経費を、国の補助事業の対象にする。

■訪問看護コンサルタントの女性の声

 厚生労働省がケアマネジャーの安全確保のため、複数人で訪問した際の費用を国が支援すると全国の自治体に通知したことを受けて、県内在住で訪問看護コンサルタントの女性(52)は「今回の事件を受けて不安に思っている人は多いので、複数人で行けた方がいい」と歓迎した。

 介護支援専門員の女性を刺し、自分の首も刺して死亡した男は「女性に金をだまし取られる」などと話していたとされる。女性は「実際の現場で『お金を取った』『お金を取られた』という話はよくある」と明かした。介護保険では、複数で訪問する際には相手の同意を取る必要があり、「家族の同意を取りにくいケースもあったりするので、介護サービス提供者の判断で複数の訪問が可能になれば」と要件緩和にも期待を込めた。

■現場は人で不足が深刻化

 一方で現場は人手不足が深刻化しており、「介護や看護の仕事を行う人たちが少なく、担い手を増やしてもらえれば」と話した。

 厚労省は3日付の通知で、介護支援専門員などの在宅介護従事者の安全確保徹底、介護支援専門員業務負担軽減支援事業による助成や、地域医療介護総合確保基金による支援の活用について、管轄する事業者への確認と周知を各自治体に求めた。

■埼玉県は「介護職員ハラスメント対策推進事業」拡充へ

 県高齢者福祉課によると、県は同基金を原資として独自に行っている「介護職員ハラスメント対策推進事業」を拡充する方向で検討を進めており、担当者は「今回のようなことがないようにケアマネジャーの方も対象にする」との方針を示した。

 県は2022年1月にふじみ野市で在宅医療を行う医師が訪問先の住宅で射殺された事件を契機に、利用者やその家族からの暴力行為や迷惑行為、ハラスメントなどについて相談できる専用の相談窓口を同年12月から設置している。

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