客室稼働率8割でも廃止検討…「バリアフリー化が進み役割を終えた」との意見も 障害者向け埼玉県営保養施設「伊豆潮風館」に広がる波紋 利用者は「値上げでも残してほしい」「全国でも唯一無二の施設」
2027年度の廃止も含めた検討が進められている障害者向けの県営保養施設「伊豆潮風館」が揺れている。県が26日と29日にさいたま市浦和区大原の県障害者交流センターホールで開催した公聴会では、参加した障害者などから「残してほしい」と存続を求める切実な声が相次いだ。
同館は、県が1988年に静岡県伊東市に開設した障害者・高齢者向けのバリアフリーに特化した宿泊休養施設。一般の県民や県外在住者も利用可能で、コロナ禍や大規模修繕の時期を除いて客室稼働率も80%前後を推移するなど、多くの人が利用している。2025年度の宿泊者は1万1066人で、利用者の60・5%が県民だった。
24年度に実施された「施策評価有識者会議」や「公の施設のあり方有識者会議」では、世の中でバリアフリー化が進み、社会のニーズが変化していることや、全国どこでも使える宿泊クーポン券の配布で代替できる状況を踏まえ、廃止すべきという提言が出た。一方で、今年2月には埼玉障害者市民ネットワークが存続を求める署名1223筆を県に提出するなど、反発の声が上がっている。
公聴会は障害者や家族、介助者であれば自由に参加でき、26日に約40人、29日は約20人が参加。県障害者福祉推進課の担当者が同館の利用状況や同様の施設が全国でも廃止されている現状などを説明後、参加者から意見を募った。参加者からは「障害者にとってはなくてはならない施設で、廃止後は宿泊できる場所がなくなってしまう。値上げしても構わないので、つぶさないでほしい」「全国でも唯一無二の施設なので、今の状態のまま残してほしい」などの意見が次々に寄せられた。
同課の担当者は「廃止が決まっているわけではないので、今回皆さんから頂いた意見を参考にして、慎重に検討していきたい」と話した。










