駅ビル、活性化に課題 進む人口減…待ったなし 埼玉・加須市長選 5日に告示 現職は退任を表明 市の人口は1市3町が合併した2010年3月の11万7507人がピーク、16年で6千人近く減
任期満了に伴う加須市長選は、5日告示される。現職の角田守良市長(69)は、1期4年で退任を表明。いずれも無所属新人で、前市議会議長の関口孝夫氏(68)、元県議の高橋稔裕氏(42)と、諸派新人で経営コンサルタントの山内正明氏(51)が立候補の意思を明らかにしている。既に人口減を迎えている加須市。活性化を図るには、商業施設が撤退した加須駅の駅ビル再生や、駅南側の病院周辺で構想されている街づくりが鍵を握る。
加須市中央の東武伊勢崎線加須駅は、市の玄関口だ。ところが、東武ストアやテナントが入居する北口の駅ビル「かぞマイン」が、2025年5月末に撤退。東京都内から35年ほど前に転居した70代男性は、「駅前の雰囲気が気に入って家を購入した。歩いて買い物に行っていたから、ありがたさを実感している」と寂しそうにほほ笑む。
市街地の店舗は、郊外の大型商業施設に取って代わられつつある。移動手段がない高齢者にとって、マインは数少ない中心部の商業インフラだった。駅北口の町内会は、市社会福祉協議会に対応を要請。2月から、移動販売車が来るようになった。町内会で役員を長く務めた80代男性は、「運転免許がないと日常の買い物にも困る。後に何かが入ればいいけれど。治安面でも良くない」と心配する。
市はビルを所有する東武鉄道に対し、にぎわいにつながる利用を要望してきた。だが、建物は築40年以上が経過して老朽化。今後の方針は決まっていないという。市産業振興課は「駅と駅周辺が一体となった街づくりを進めたいが、ビルはお願いベースになってしまうのが現状」と解決の道を見いだせていない。
22年6月、同市上高柳に済生会加須病院が開院した。加須駅南口から、徒歩10分圏内の場所に総合病院が進出したことを受け、市は23年に「病院を核とした加須駅周辺の新たなまちづくり構想」を策定。駅南側の整備を目指して、動き出した。水田が広がるこの地域は、旧騎西町との境界付近。過去に何度か開発の検討などがされたが、具体化しなかった経緯がある。
市は「優先的まちづくりゾーン」の31ヘクタールについて、基本計画を作成。民間事業者活用の可能性を探ったものの進出する意欲が低く、試算した事業費も高騰し、スケジュールの見直しを迫られている。市議会の主要2会派も、25年に独自案を発表。市スーパーシティ推進課は、「議会側とも意見交換を行いながら進めていきたい」としている。
市の人口は、1市3町が合併した10年3月23日の11万7507人がピークで、今年4月1日現在は11万1691人。16年で6千人近く減った。社会増は16年度から25年度まで10年続くが、自然減を吸収できていない。駅南口で暮らす70代男性は「病院はできたけれど、あと10年もしたら本当に寂しくなってしまいそう」と危機感を募らせた。









