「重いからどけてくれ」…追突事故でバイクの男性が下敷きに 渋滞中に発生した事故、追突した車の後ろを走っていた夫妻、ジャッキを使って救助に貢献 整備士として働いた経験を持つ夫「やるべきことをやっただけ」
乗用車とバイクの追突事故現場に遭遇して人命救助に貢献したとして、春日部市消防本部は26日、同市の自動車販売業秋山真一さん(47)、直美さん(48)夫妻に感謝状を贈呈した。車載のジャッキを使って車体を持ち上げ、下敷きになったバイクの男性に声をかけて励ますなど、的確な判断で円滑な救出活動につなげた。
同消防本部などによると、2月14日午後3時45分ごろ、同市上吉妻の県道で、乗用車がバイクに追突。弾みでバイクの男性が前方の乗用車に衝突して転倒し、追突車両の下敷きになった。渋滞中の事故だった。「車が波打つような動きをした」。買い物途中で追突車両の後ろを走っていた秋山さん夫妻は事故の衝撃を語る。
車を降りると、下敷きになった男性が「重いからどけてくれ」と訴えた。追突車両の男性運転手が手で動かそうととするが、びくともしない。「やるしかない」と覚悟を決めた秋山さんは車から取ってきたジャッキを設置して車体を持ち上げ、さらに安定させるため近くのガソリンスタンドからタイヤを借りて隙間に挿入。直美さんは119番し、男性に「大丈夫ですか」「もうすぐ救急車が来ますよ」と声をかけ続けた。救急隊が到着して病院に搬送された男性は重傷を負ったものの、一命を取りとめた。
秋山さんは自動車整備士として約10年間働いた経験を持ち、ジャッキの扱いはお手のもの。ガソリンスタンドも知り合いの店ですぐ応じてくれた。初めて遭遇した緊急事態に「無我夢中だった」という直美さんとは対照的に「やるべきことをやっただけ」と冷静に振り返るが、「男性が助かって良かった」と安堵する表情は2人とも同じだった。
庄和消防署で行われた贈呈式で、秋山さん夫妻に感謝状を手渡した市川和幸署長は「勇気ある素晴らしい活動で、救出しやすい現場にしてくれた。なかなかできることではない」と称賛した。









