埼玉新聞

 

「ゴジラ」のテーマの一部利用も考えたが…緊急地震速報のチャイム語る 東大名誉教授の伊福部氏が講演 緊急性を感じさせつつ、不安感を与えないもの、騒音下でも聞き取りやすいことなどを条件に設定 叔父の作曲家伊福部昭氏の交響曲の一部を採用

  • 緊急地震速報のチャイム音の制作秘話を話す伊福部氏=23日午後、さいたま市大宮区

    緊急地震速報のチャイム音の制作秘話を話す伊福部氏=23日午後、さいたま市大宮区

  • 緊急地震速報のチャイム音の制作秘話を話す伊福部氏=23日午後、さいたま市大宮区

 埼玉政経懇話会の3月例会が23日、さいたま市大宮区の大宮清水園で開かれ、東京大学名誉教授の伊福部達氏が「緊急地震速報とゴジラ音楽、あの3秒のチャイム音に秘められたメッセージ」と題し講演した。

 伊福部氏は、1971年に北海道大学大学院修士課程を修了後、89年に同大電子科学研究所教授、2002年に東京大学先端科学技術研究センター教授を歴任。現在は、北大、東大で名誉教授を務めている。専門は福祉工学など。

 講演では、伊福部氏が07年に緊急地震速報のチャイム音を制作した経緯や裏話を披露。当初は、音楽作成は専門外であったため断るつもりでいたが、「依頼から制作期限まで半年しかなかったので応じた」と背景を明かした。

 作成に当たっては、緊急性を感じさせつつ、不安感を与えないもの、騒音下でも聞き取りやすいこと、軽度の知覚障害者でも聞き取れることなどを条件に設定。叔父である作曲家・伊福部昭氏の交響曲「シンフォニア・タプカーラ」の一部を、適度な緊張感を持った和音であったため採用した。代表作の一つ「ゴジラ」のテーマの一部利用も考えたが、恐怖心をあおるなどの理由から断念したという。

 チャイム音について、犬や猫も音を聞いて逃げ回ることもあるとし、伊福部氏は「動物が共通して持つ潜在感覚に訴える音なのでは」と話した。

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