埼玉新聞

 

10代男性が死亡…小児医療センターで注射後に 2人は意識不明、あるはずのない薬剤“ビンクリスチン”検出 さらに別の2人も神経症状が出たと判明「原因不明。神経症状はビンクリスチン以外でも起こる」

  • 県立小児医療センター=中央区

    県立小児医療センター=中央区

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 白血病の患者3人が抗がん剤の髄腔(ずいくう)内注射後に重度の神経症状を発症し、うち1人が死亡した問題で、県立小児医療センター(さいたま市中央区)は17日、全6回にわたる調査対策委員会の議事要旨を公表した。同時期に注射を受けた別の2人も、注射後に神経症状を発症していたと明らかにした。

 同センターは11日、男性患者3人の髄液から、髄腔内注射に使われるはずのない薬剤「ビンクリスチン」が検出され、この薬剤が原因である可能性が高いと発表した。別の2人からビンクリスチンは検出されていない。調査対策委員会委員長の中沢温子臨床検査部長は「(原因の説明がつきやすい)最初の3例と4、5例目が同じ病態であるかは、調査対策委員会としては否定的」と見解を示した。

 2人は注射から約2週間前後で下肢のまひなどが認められ、うち1人は基礎疾患を有していた。注射後1~4日以内に重篤な神経障害を呈した3人とは異なり、調査対策委員会では「病態が同一とは限らない可能性がある」との意見が出たとしている。

 2人について、渡辺彰二副病院長は「命には問題ない。原因は分からない。(注射後の神経症状は)ビンクリスチン以外でも起こり得る」と話し、「可能な範囲で調査対策委員会における検討内容を開示すべきと判断した」と公表した経緯を説明した。
 

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