埼玉新聞

 

「明日から違う風景が」…被災地から離れた埼玉でも追悼式 岩手、宮城、福島の3県からの避難者で結成した会 上尾の団地で最後の式 「やっぱり15年は長かった」

  • 静かに目をつむり黙とうする参列者たち=11日午後2時46分、上尾市上の県営シラコバト団地集会所

    静かに目をつむり黙とうする参列者たち=11日午後2時46分、上尾市上の県営シラコバト団地集会所

  • 【地図】上尾市(背景薄緑)

    上尾市の位置

  • 静かに目をつむり黙とうする参列者たち=11日午後2時46分、上尾市上の県営シラコバト団地集会所
  • 【地図】上尾市(背景薄緑)

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生から11日、15年を迎えた。被災地から遠く離れた埼玉県内でも追悼式が行われ、避難者らが犠牲者の冥福を祈った。

 上尾シラコバト団地の集会室では11日、「東日本大震災に咲く会 ひまわり」=橘光顕代表(60)=による「東日本大震災追悼式~黙祷の会―いつか、またどこかで~」が開かれた。地震発生時刻の午後2時46分、東北の方角に置かれた「慰霊塔」に向かって、団地や近隣の住民、支援者ら約50人が黙とうをささげた。

 2011年4月、岩手、宮城、福島の3県から避難した人たちで結成した同会は、今年3月末での休会が決まっており、この日が最後の追悼式となった。

 式辞では、被災者と共に活動してきた「花と緑の会」の古沢勲さん(76)が「励まし合いながら季節の野菜を作ってきた」と思い出を語った。会が結成された当時、団地自治会長だった宮下東さん(76)は「橘さんが会長を引き受けてくれたおかげで15年も続いた」とねぎらった。上尾市の畠山稔市長からは追悼と慰労のメッセージが届いた。

 記念行事として10年前に封印されたタイムカプセルの開封式が行われ、当日の新聞やDVD、手紙などが次々に取り出された。絵手紙と般若心経の写経を入れていた小島絹代さん(80)は自作の絵を見て「下手だわ」と笑った。15年前、岩手県大船渡市で被災。「やっぱり15年は長かった。いろいろな思いが浮かんでくる。大船渡への思いは心にあるけれど、今はここで元気に暮らしていきたい」と前向きに話した。

 代表の橘さんは「被災者の会ひまわりから『被災者』をとったのは、天に咲く太陽のようなひまわりの会にしたかったから」と語り、15年を振り返った。「全員の居住権の獲得とタイムカプセルの開封という二つの大きな出来事が終わった。明日から違う風景が見えるでしょうね」と語った。

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