10代男性が死亡…小児医療センターで注射後に あるはずがない劇薬を検出 注射の工程手順に問題なし 薬液は3度のセキュリティーチェックがある部屋で薬剤師が調製 注射した他の2人、全身まひもあり意識不明
2026/03/12/07:19
埼玉県立小児医療センター(さいたま市中央区)は11日、白血病治療のため、2025年1~10月に抗がん剤の髄腔(ずいくう)内注射を実施した男性患者3人が重度の障害を発症し、うち10代男性1人が死亡したと発表した。3人の髄液から使用されるはずのない劇薬の「ビンクリスチン」が検出され、この薬液が原因である可能性が高いという。他の2人は10歳未満と10代の患者で、いずれも全身まひなど意識不明の重体。
小児医療センターによると、死亡した男性は25年10月22日に髄腔内注射を実施。翌日から大腿(だいたい)部の痛みなどの神経症状を発症し、今年2月6日に死亡した。昨年1月31日に注射を受けた10歳未満の男性は4日後に、同3月26日に注射を受けた10代男性は翌日から発症した。同センターは同11月11日以降、予定されていた全ての患者の髄腔内注射を中止した。
同センターが昨年11月24日に設置した外部有識者3人を含む調査対策委員会では、注射の工程や手順に問題は認められなかった。12月25日に男性ら髄液の検査を分析機関へ依頼し、今年2月25日に、本来使用されるはずのないビンクリスチンが検出されたと報告を受けた。
事件と事故の両面の可能性があるとして、3月10日、大宮署に届け出た。
薬液は3度のセキュリティーチェックを経る調剤室で薬剤師が調製。ビンクリスチンは血管内に投与する劇薬で、通常の手順で混入する可能性は低いという。
11日に県庁で記者会見した岡明病院長は「(患者の家族に)調査結果をお伝えをし、厳しいお言葉を頂いた。原因究明が病院としての責任。逃げることなく向き合っていきたい」と話した。









