埼玉新聞

 

女性ら注目 “サツマイモの女王”原料にしたリキュール「富の紅赤OIMOほっこり」、県内で販売

  • 「紅赤」の焼き芋を原料にしたリキュール「富の紅赤OIMOほっこり」

 川越イモの代名詞で、金時と呼ばれた伝統のサツマイモの品種「紅赤」の焼き芋を原料にしたリキュール「富の紅赤OIMOほっこり」(720ミリリットル入り、税込み1718円)が埼玉県内の百貨店などで販売され、若者や女性らの関心を集めている。

 紅赤が発見されて120年を迎えたことから、紅赤のおいしさを多くの人に知ってもらおうと、川越イモの品質向上や後継者育成などに取り組む「三芳町川越いも振興会」(武田直章会長、加盟農家29軒)と加須市の酒造会社「釜屋」が共同開発した。

 同社によると、焼き芋を原料にしたリキュールは県内では初めてという。

 同振興会などによると、紅赤は1898(明治31)年、北浦和(現・さいたま市)の主婦山田いちさんが自分の畑で突然変異したサツマイモを発見。東日本を代表する品種になった。栗のような風味と粉雪のような舌触りが楽しめるとして、“サツマイモの女王”と呼ばれていたという。

 戦後は栽培の手間や難しさなどから年々減少。現在は川越市と三芳町、さいたま市の一部農家で栽培されている。紅赤のおいしさを味わい、普及に役立てようと、同振興会は2006年、紅赤を原料にした芋焼酎「富の紅赤」を製造。今回は若者や女性らをターゲットにリキュールを開発した。

 「OIMOほっこり」は同振興会加盟農家が栽培した紅赤を焼き芋マシーンで1本1本丁寧に焼き上げ、釜屋で酒造。素材の良さとアルコール分をなじませるため、半年以上熟成させた。香ばしい焼き芋の香りと優しい甘み、まろやかな味わいが特徴という。

 同リキュールは県内のまるひろ百貨店9店舗と三芳町の早川農園で販売している。

 問い合わせは、三芳町観光産業課内の同振興会事務局(電話049・274・1010)へ。

ツイート シェア シェア