埼玉新聞

 

待機児童の減少に効果 さいたま市の「放課後子ども居場所事業」 2026年度から25校に拡大へ 共働き家庭の増加などで学童の利用ニーズは高まる中、有効な手段に

  • 放課後子ども居場所事業の様子。宿題をする児童たち=1月19日、さいたま市浦和区の市立岸町小学校

    放課後子ども居場所事業の様子。宿題をする児童たち=1月19日、さいたま市浦和区の市立岸町小学校

  • 【地図】さいたま市(背景薄緑)

    さいたま市の位置

  • 放課後子ども居場所事業の様子。宿題をする児童たち=1月19日、さいたま市浦和区の市立岸町小学校
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 共働き家庭の増加などで学童の利用ニーズが高まる中、さいたま市で2024年度から実施されている「放課後子ども居場所事業」の取り組みが、待機児童解消に向けた有効な手段となっている。小学校の施設を活用する同事業は、希望する児童全員が利用できるのが最大の特徴で、未実施区域の保護者からの問い合わせも増えている。26年度は、前年度比12校増となる25校に拡大する方針だ。

 同事業を始めるきっかけの一つが、22年5月1日時点で同市の学童待機児童数が311人と政令指定都市の中で最多となったことだ。共働き家庭の増加に加え、同市では子育て世代の流入が続き、民設の学童だけで対応するのが厳しい状況にあった。

 そこで市が24年度から始めたのが「放課後子ども居場所事業」。小学校の施設を活用して放課後の居場所を提供し、希望する児童全員を受け入れるというもので、運営は民間企業やNPO法人などに委託している。

 1月中旬の午後3時過ぎ、同市浦和区の市立岸町小学校の一角にある2部屋は約80人の児童でにぎわっていた。保護者が迎えに来るまで子どもたちは宿題や読書をしたり、室内や校庭で友人と遊んだりして過ごす。

 運営する理究キッズ主任の登條裕矢さん(26)によると、利用児童の多くは小学校低学年。学年が上がるに連れて利用率は減少するが、長期休暇の期間のみ利用する高学年の児童もいるという。

 利用する保護者からは同事業について肯定的な声が上がる。1年生の息子を持つ会社員の久山陽子さん(35)は民間の学童も見学したが「道路を横断して通うことに不安を感じ、ここに決めた」と明かす。学校の友人も多く利用しており、安心感があるという。2年生の長女が利用する斉藤由紀さん(39)は「民間の学童だと3年生で出ないといけないという話も聞くが、一人で留守番させるのは心配。夏休みも利用できるので安心」と話した。

 国の調査によると、さいたま市の学童保育の待機児童数は23年に329人と再び政令市で最多となった後、24年288人、25年197人と減少傾向にある(いずれも5月1日時点)。

 市の担当者は「放課後子ども居場所事業を実施している学区は待機児童ゼロになるため、大きな成果が出ている」と手応えを話す。利用を希望する未実施区域の保護者からも問い合わせが増えているという。今後もニーズを見極めながら順次拡大し、市は28年4月の待機児童ゼロを目指す。

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