埼玉新聞

 

国民と自民 前回つかんだ議席を死守か、雪辱を果たすか 与野党5人が乱立する激戦 浮動票の行方も当落を左右か/衆院埼玉13区(久喜市、蓮田市、幸手市、白岡市、伊奈町、宮代町、杉戸町)

  • 街頭演説で政策を訴える候補者=蓮田市内(画像の一部を加工しています)

    街頭演説で政策を訴える候補者=蓮田市内(画像の一部を加工しています)

  • 街頭演説で政策を訴える候補者=蓮田市内(画像の一部を加工しています)

 県内最年少の28歳で初当選した国民前職の橋本幹彦(30)に、返り咲きを狙う自民元職の三ツ林裕巳(70)が挑む。前回とは異なる空気の中、つかんだ議席を死守するか、雪辱を果たすか。比例復活したれいわ前職の高井崇志(56)、共産新人の沢口千枝子(75)も同じ顔触れで、参政新人の杉山鎮夫(43)が新たに加わり、与野党5人が乱立する激戦となっている。

■党の顔が応援

 「全国で仲間が戦っている中、私が選んだのは埼玉13区。皆さん、絶対に橋本幹彦を小選挙区で上げてください」。公示後、最初の週末を迎えた1月31日、蓮田市のJR蓮田駅東口で党代表の玉木雄一郎が声を張り上げた。寒風吹きすさぶ中、玉木の言葉に「そうだー」と聴衆が呼応する。

 橋本は6人が乱立した前回に続き、公示前後に玉木の応援を受けた。自衛官時代に鍛えた肉体を武器にした戦い方も同じ。始発から終電までの駅立ちや1日100キロの自転車遊説で浸透を図る。「他党の戦略にどうこう言うわけではないが、小選挙区で本気で勝とうと考えているのは自分だけ」と強気な姿勢を崩さない。

 対する三ツ林は5選を目指した前回、裏金問題で処分を受けて無所属で出馬し、涙をのんだ。この1年3カ月は信頼回復のため地元回りに注力。祭りや行事にも300回以上足を運んだ。「何としても国政に復帰したい。地域の声に耳を傾け、その思いが一層強くなった」

 自民関係者は「(裏金問題が)尾を引いていることは否めない」としつつも、人気の高い「党の顔」との近さを捲土(けんど)重来の好材料に挙げる。

 三ツ林は過去の総裁選で高市早苗を一貫して支持し、医師として健康相談に乗るなど関係は深い。逆風にあえいだ前回も隣で応援を受けた。1月27日の出陣式では高市からの祝電を披露した後、「働いて、働いて、働いて、働いて、ご恩返しをします」と総裁選出後の演説を踏襲し、支持を訴えた。

■読めない浮動票

 地元の幸手市を中心に強固な地盤を誇る三ツ林に比べ、県外出身の野党候補は組織力で劣る。前回は「政治とカネ」を合言葉に包囲網を張って対抗したが、物価高対策が主要争点となっている今回は「裏金批判の一辺倒で戦っても勝てない」のが実情だ。

 浮動票の行方も当落を左右する。前回、橋本が三ツ林につけた票差は約8千。今回擁立を見送った維新の候補は約2万1千票を獲得している。自民との連立を解消した公明票も含め、各陣営とも「読めない」と口をそろえ、懐の深さが試されている。

 党幹事長の高井は多忙の合間を縫い、選挙区内で50人規模のミニ集会を月2回ほど開催してきた。演説後の質疑応答では「アンチの方でも結構」と対立意見も歓迎。公示直前に党代表が療養のため議員辞職し、第一声で「山本太郎が戻ってくるまで、皆さん一人一人が山本太郎に成り代わり、この選挙に勝利しよう」と呼びかけた。

 沢口と杉山は4月の久喜市議選への出馬を予定していたが急きょ転身し、党勢拡大を目指す。=敬称略

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