埼玉新聞

 

保守分裂で公明票が鍵に 9選目指す自民幹部の盤石地盤で混戦 元自民県議の電撃出馬で 中道候補に前回1万5千票差 注目される公明2万3千票(前回比例)と共産約2万、維新2万票超(前回選挙区)の行方/衆院埼玉8区(所沢市、ふじみ野市、三芳町)

  • 候補者の演説に集まり、げきを飛ばす支援者ら=30日午後、所沢市内

    候補者の演説に集まり、げきを飛ばす支援者ら=30日午後、所沢市内

  • 候補者の演説に集まり、げきを飛ばす支援者ら=30日午後、所沢市内

 衆院埼玉8区は9選を目指す自民柴山昌彦(60)、前回選挙で比例復活から初当選した中道市来伴子(48)を、無所属で電撃出馬した元自民県議の岡田静佳(52)が追う混戦模様。自民色の強い岡田の出馬により、党政調会長代理まで務める柴山との保守分裂の様相。無党派層や女性票を取り込む市来とも、票の奪い合いが予想される。

■高市派アピール

 自民総裁、高市早苗と柴山の写真が大きくラッピングされた選挙カー。ポスターには高市の顔写真が張られ、親密な関係性を強調する。1月30日、所沢駅前に集まった約200人の聴衆の前に、柴山は「強い経済をつくるビジョンを示せるのは私たち自由民主党です」と叫んだ。応援に駆け付けた財務大臣片山さつきは、「高市早苗を応援するなら柴山と書いてください」と念を押し、高市人気の流れに乗る。

 長年選挙を共にした公明地方議員の顔はなく、前回衆院選で選対副本部長を務めた岡田が対抗馬に名乗りを上げ、解散前から保守分裂による共倒れが懸念されていた。ここ10年は毎回9万票以上を集め、盤石な支持基盤を築く柴山。1月15日の出馬会見では岡田の動きについて聞かれ、「選挙にありがちなことで、反論すれば泥仕合になる」と冷ややかな反応を見せた。

■公明票の行方は

 27日に所沢駅で行われた市来の出陣式では、公明所沢市議がマイクを握ると聴衆が一斉に拍手。市議は、「さまざまな現場の思いを分かっていらっしゃる方」と市来を紹介した。新党結成に複雑な思いを抱いていた支援者も、聴衆の輪に飛び込んだ市来に「演説良かったよ」と握手を求め、新たなパートナーを受け入れつつあるようだった。

 4人が立候補した前回衆院選小選挙区で、市来は約7万7千票を集めるも柴山に1万5643票差で破れた。今回擁立を見送った共産候補は2万305票、維新候補は2万3810票を集めている。公明の比例票は計2万3609票。柴山は連立を組んでいた当時の公明とも一定の距離を置いており、票の動向が焦点の一つとなっている。

■「国政出馬」浸透へ

 所沢市議選に3期連続トップ当選、県議選には自民公認候補2人に自民推薦の無所属新人として挑み、ただ1人勝ち抜いた岡田。「衆院選に出ているの?」。29日、所沢駅前を歩くと、商店の店主が声をかけた。所沢での知名度は十分だが、国政選挙への出馬はまだ認知度が低く、ふじみ野市、三芳町では全くの新顔。選挙区内を自転車で細かく回り、浸透を図る。

 自民への反逆とも取れる挑戦については、「小選挙区で受かれば(柴山が)比例当選で保守2議席。駄目なら私が落ちるだけ。議席を減らすことはない」とあくまで共闘の姿勢を見せる。一方で、政治資金の不記載問題や、昨年10月に発覚した、県連元幹事長による政治資金の私的流用で当時会長だった柴山を批判。「8区は変わらなければならない」と主張した。=敬称略

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