埼玉新聞

 

埼玉県庁の再整備「現在地が妥当」 県が県庁舎再整備懇話会に比較評価を示す 浦和と浦和美園の2地点 資料が「浦和に誘導している」との指摘や「移転は攻めの投資になる」と浦和美園案を支持する意見も

  • 【役所】埼玉県庁=埼玉県さいたま市浦和区高砂

    県庁=さいたま市浦和区高砂

  • 【地図】さいたま市浦和区(背景薄緑)

    さいたま市浦和区の位置

  • 【地図】さいたま市緑区(背景薄緑)

    さいたま市緑区の位置

  • 【役所】埼玉県庁=埼玉県さいたま市浦和区高砂
  • 【地図】さいたま市浦和区(背景薄緑)
  • 【地図】さいたま市緑区(背景薄緑)

 老朽化などの問題を抱える埼玉県庁本庁舎の再整備に関し、県は30日、現在地と浦和美園(さいたま市緑区美園の県有地)の2地点についての比較評価を県庁舎再整備懇話会に示した。災害リスクへの懸念から、複数の委員が「現在地が妥当」とする見解を示した。一方で、議論の前提となる資料が「浦和に誘導している」との指摘や、「移転は攻めの投資になる」と浦和美園案を支持する意見もあった。

 県は建設コストおよびスケジュールを比較するために、行政庁舎の想定面積を現在地=6万3千平方メートル、浦和美園=8万4千平方メートル、警察本部の独立庁舎を4万7千平方メートルと、庁舎の規模や敷地利用について仮条件を設定した。試算した整備事業費は現在地なら約1450億円、浦和美園なら約1617億円と、現在地の方が低い結果となった。

 現在地での代表的な配置計画パターンとして提示された案では、県議会議事堂(築42年)と危機管理防災センター(築15年)を継続利用。浦和美園の場合は敷地および周辺道路の浸水リスクを軽減するため、綾瀬川右岸の護岸工事などが必要になると差額の理由が示された。

 懇話会の会長を務める稲葉裕昭早大政治経済学術院教授は「千年に一度の災害のときは、死傷者の数に相当の違いが出る。災害防災拠点になるべき観点から、しっかりした地盤の上に建物をつくる必要がある。個人的には議事堂は検討対象に入れてセットで考えた方がいい。現在地の建て替えが妥当」と総括した。

 県議の田村琢実委員は浦和美園案の都市計画変更調整に4年を要するスケジュールへの疑問や、工期が長期化する現在地案での資材高騰リスクなどを指摘し、「未来への投資として浦和美園案に軍配を上げたい。新天地移転は県全体の価値を底上げする攻めの投資」と述べた。

 県は2025、26年度の2カ年で基本構想・基本計画を一体的に策定する。最終的に大野元裕知事が再整備位置を決定し、本年度中に中間案を示す方針。県管財課の担当者は「いただいた意見を持ち帰り、検討したい」と話した。

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