埼玉新聞

 

与野党対決が浮き彫り 「票の数合わせだけでは説明できない」接戦、鍵を握る保守票/衆院埼玉3区(越谷市と川口市の一部区域)

  • 東武伊勢崎線越谷駅前で候補者にエールを送る支援者

    東武伊勢崎線越谷駅前で候補者にエールを送る支援者

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 高市首相の側近で内閣府特命担当大臣、自民前職の黄川田仁志(55)、弁護士で中道前職の竹内千春(57)が接戦を繰り広げ、参政新人の中村尚子(60)が追う。国民、維新、共産が独自候補を立てず、黄川田と竹内の与野党対立が浮き彫りになった注目区。参政中村が食い込み、浮動票を取り込む構図だ。

■浮動票の行方

 6選に挑む黄川田は、3度目の総裁選で高市氏を首相に押し上げた。支持率が高い高市内閣の政策を前面に押し出し、安定した政権の継続を呼びかける。27日の出陣式では「積極財政、経済成長のための投資、そのための予算を前に進めるためには、与党で過半数を取らなければならない」と訴えた。

 竹内は前回、小選挙区で敗れ比例で復活し初当選。今回は小選挙区で勝利を目指す。集会や演説で公明議員がマイクを握り公然と自民を批判し、竹内支援を呼びかける。27日の出陣式で竹内は党横断的な支持を求め「右か左ではない。暮らしで今何が必要か。その視点を政治の真ん中に置く」と中道の理念を強調した。

 参政中村は解散直前に立候補を表明し、初めて選挙に臨む。選挙区を回り駅頭で演説。「数年前まで政治に関心がなかった。暮らしが政治と関係していると知ってほしい」と浮動票の取り込みに躍起だ。

 前回衆院選では自公が推した黄川田は7万6239票、立憲竹内は6万6103票、維新新人が2万4442票、共産新人が1万4371票を獲得した。今回は中道を支援する公明、擁立を見送った維新と共産、国民、代わりに独自候補を立てた参政の票が、選挙戦に影響を与えそう。

 黄川田は自民、維新支持層を固め、公明票をつなぎ止め、高市人気を追い風に浮動票の取り込みに力を入れる。竹内は立憲、公明、地域政党「越谷市民ネットワーク」が支援、共産票も見込む。

■市長選、県議補選の影響

 昨年10月に行われた越谷市長選、同11月の県議補選の結果を振り返る声も。市長選では竹内が推す現職(5万3636票)が、黄川田が推した新人(3万5028票)と別の新人(3689票)を破った。

 5人が立候補した県議補選では、竹内が推す新人(1万7716票)がトップ当選。保守が三つに分裂し、自民公認新人(1万4400票)が次点で当選した。しかし、敗れた別の保守系新人2人の票を足すと計2万1141票に及ぶ。共産新人が4176票だった。

 今回の衆院選で、黄川田陣営は割れた保守の票をまとめにかかる。竹内陣営は市長選、県議補選の流れを広げる構えだ。越谷市内に住む有権者の60代男性は「票の数合わせだけでは説明できない。選挙は何が起こるか分からない。いずれにしても接戦だ」と語った。=敬称略

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