陥没の県道は4月をめどに2車線で使用開始を目指す 復旧へ工事進む…複線化には5~7年 八潮の陥没事故 あす28日で発生から1年 陥没の県道は4月をめどに2車線で使用開始を目指す
埼玉県八潮市の県道松戸草加線中央一丁目交差点内で道路が陥没し、トラックが転落した事故は、28日で発生から1年となる。原因究明委員会は昨年9月、「県が管理する中川流域下水道の硫化水素によって腐食した下水道管に起因するものと考えられる」と結論づける中間報告を公表。現場では破損管の復旧や県道の暫定供用に向けた工事が進められている。
県下水道局によると、破損した下水道管は新設管の敷設が12月末に完了し、防食対策として管の内側に塩化ビニールでのコーティングを行っている。完了後は仮排水管から元の菅への切り替えと、不要となる仮設物の撤去を並行して進める。現場を東西に走る県道は4月をめどに南側2車線の暫定供用開始を目指す。橋梁(きょうりょう)形式になることから、基礎部分の施工を進めている。交差する市道は工事の段階に応じて随時検討する。
事故が発生した中川流域下水道中央幹線下流部の抜本的対策として、陥没事故現場の上流から下流の約2キロについて、復旧工法検討委員会は5~7年をかけて新規管を通して複線化する案を提示している。現場付近の管は口径が大きく、12市町から多量の下水が流れ込む。劣化が進行している箇所が点在するため、維持管理性や冗長性確保などの観点から、県は「2026年度以降、できるだけ早く着手する」としている。
住民補償の申請状況(1月15日時点)は、陥没箇所から約200メートルの範囲内の住民に1世帯当たり3万円、世帯人員に応じ1人につき2万円を補償する「その他の補償」の申し込みが340件、営業補償が10件、電気代補償が115件、硫化水素が原因とみられる金属のさびへの補償が6件、脱臭機の配布は500台以上。現時点では予算の範囲で対応できるという。
工事や補償に充てられた県予算総額は現時点で278億7100万円。そのうち国庫補助金は45億円にとどまる。昨年12月の県議会特別委員会では、県下水道管理課の担当者が「国の方針で整備が推進されてきた背景を踏まえ、引き続き国に財政措置を求めていく」と説明した。
大野元裕知事は今月20日の会見で「引き続き皆さまのご理解を頂きながら、可及的速やかな復旧に努めたい。点検・調査・維持・修繕の方法確立や技術開発、費用負担の在り方、教訓を前向きに生かせる体制にすることがわれわれの責任」と、改めて事故への受け止めを述べた。










