「オリンピックは酷。次の日の調整練習では柔道着が着られなかった」パリでの衝撃を振り返る 埼玉の中学校で東京オリンピック柔道金メダリストの阿部詩選手がトークショー 自分の挫折や努力を振り返り生徒にエール
川口市上青木の川口市立高校付属中学校で13日、2021年の東京五輪柔道女子52キロ級で金メダルに輝いた阿部詩選手(25)=パーク24=を招いたトークショーが行われた。阿部選手は自身の挫折や努力を振り返りながら、生徒に「情熱を持ち自分の強みを見つけてほしい」と呼びかけた。
阿部選手は東京五輪開催が決まった13歳の時、「ここで優勝したい」と世界を目指すようになったという。
努力しているが結果が出ないときへの対応では「目先の結果にこだわらず、長い目で見るべき」とし「人生のステージが変わるごとに壁が現れる。できなかったことを引きずるよりも、前を向くことを大切にしてほしい」と述べた。
心が折れそうなときからの再起では、自身のパリ五輪の個人戦敗戦を振り返り「オリンピックは酷。次の日の調整練習では柔道着が着られなかった」と当時の衝撃を回顧。練習相手からの「ここで何も戦わず終わるか、一回でも戦って帰るのかでは今後の人生が変わる」の言葉に自らを奮い立たせ、次戦に臨んだという。
「追い込まれたときは弱音を吐いていい」。不安を隠し臨んだ混合団体戦では、試合時間残り1秒で合わせ技一本勝ち。日本の銀メダル獲得に貢献した。「人生、本当に仲間に支えられている」
自分の強みを見つける方法では、不調をきっかけに自らの得意技が「背負い投げ」から「袖釣り込み腰」に変化した経緯を述べ「初めからこれが自分の強み、と意識することはないのでは」と説明。「何かのきっかけで自分の強みは出てくる。『これだ』と思うことに対し情熱を持ってほしい」と呼びかけた。
最後に世界一を目指す原動力について「支えてくださる方々に私は柔道でしか恩返しができない。しっかり勝って応援してくださる方の笑顔が見たい」と思いを強調。「ロス五輪で金メダルを皆さんに感謝を届けたい」と力を込め、締めくくった。
講演後、阿部選手は同校3年で柔道経験者の入野太心さん(15)を相手に背負い投げの模範を披露。同校生徒会長の堀井耕史郎さん(14)は「大きな目標に対する強い思いが練習を乗り越える原動力になると知った。講演の内容を今後に生かし、勉強や部活動に取り組みたい」と述べた。










