埼玉新聞

 

極めて珍しい斑紋の国蝶・オオムラサキ、小川の"チョウ博士"自宅で羽化「50年以上やっていて初めて」

  • 上が通常のオオムラサキの雄(左)と雌(右)。下が流紋・鱗粉衰退型の雄(左)と雌(右)

  • 関口幸男さん

 「チョウ博士」として知られる小川町小川の関口幸男さん(71)方で、斑紋(はんもん)異常の国蝶・オオムラサキの雌雄2頭が羽化した。いずれも「流紋(りゅうもん)・鱗粉(りんぷん)衰退型」で「極めて珍しい」という。

 流紋・鱗粉衰退型の雄は6月15日、雌は同20日に羽化した。関口さんは、この二十数年だけでも1万頭を超すオオムラサキを育ててきた。これまで流紋型や、鱗粉衰退型の羽化は経験しているが、両タイプが合わさった「流紋・鱗粉衰退型」の羽化は初めてで、しかも雌雄2頭。

 関口さんは「通常のオオムラサキは紫、黄、赤色の斑紋が鮮明だが、流紋・鱗粉衰退型は斑紋が流れ、鱗粉が薄くビロード状になっている。発生率は極めて低く、珍しい。50年以上やっていて初めて」と話している。

 関口さんは小学生の頃からチョウなどの昆虫に興味を持ち、採取や飼育に取り組んできた。その中で、オオムラサキも飼育や、生態を研究し、仲間と山里に放すなどの保護活動をしている。現在は、オオムラサキの写真集作りにも取り組んでいる。

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