埼玉新聞

 

埼玉で今季初の鳥インフル 県内最大規模、24万羽を殺処分 50万羽を搬出制限 嵐山

  • 高病原性鳥インフルエンザ感染の疑いのある採卵鶏農場で作業する県職員ら(県提供)

    高病原性鳥インフルエンザ感染の疑いのある採卵鶏農場で作業する県職員ら(県提供)

  • 【地図】嵐山町

    嵐山町の位置

  • 高病原性鳥インフルエンザ感染の疑いのある採卵鶏農場で作業する県職員ら(県提供)
  • 【地図】嵐山町

 埼玉県は30日、嵐山町の採卵鶏農場で高病原性鳥インフルエンザの遺伝子検査で陽性が確認されたと発表した。同日午前10時から農場で飼育する約24万羽の殺処分などを始め、来年1月7日に処分を終え、同8日までに消毒や汚染物品処理などの防疫措置を完了させる見通し。県内の鳥インフルエンザの確認は今季初めてで、全国で12例目。

 県畜産安全課によると、29日に農場から「死亡している鳥が増えている」と、川越家畜保健衛生所に通報があり、立ち入り検査を実施。10羽に簡易検査を行ったところ、全てに陽性反応が出た。30日に行われた遺伝子検査でH5亜型の陽性が確認されたことから、農林水産省が高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜と判定した。

 1カ所当たりでは県内最大となる約24万羽の殺処分を実施する。殺処分や消毒は県の職員を中心に延べ約2千人を導入予定で、初めての試みとして民間の事業者にも派遣を依頼している。

 県はこれまで、10月22日に北海道で全国1例目の鳥インフルエンザが確認されたことを受けて、同28日に県内の養鶏場などに消毒命令を出していた。

 まん延を防ぐため、県は30日午前10時から、当該農場から半径3キロ以内を移動制限区域に、半径10キロ以内を搬出制限区域に設定。3キロ圏内の3農場の約60羽、10キロ圏内の51農場の約50万8千羽の移動や搬出を制限する。制限区域付近に、出入りする畜産関係車両の消毒ポイントを4カ所設けた。

 30日午前8時半からは大野元裕知事を本部長とする緊急対策本部会議、午前9時半からは、大野知事や農水省の山下雄平副大臣がオンラインで会談を実施し、発生状況や今後の対応を確認した。

 大野知事は感染した鶏の鶏肉や卵が市場に出回ることはないとし、「県としては迅速な初動対応、まん延防止、風評被害防止を図っていきたい」と語った。

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