埼玉新聞

 

水産物高め、野菜は横ばい 年末年始の価格動向 ガソリンは値下がり

  • 年末年始の県内生鮮食品価格動向

    年末年始の県内生鮮食品価格動向

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 県は、県内の年末年始における主要食品とガソリン・灯油の価格動向を発表した。ガソリンは前年より下がり、水産物は前年並みから高め、野菜はおおむね前年並み、果物はやや安めから前年並みとなる見込みだ。県消費生活課は「野菜では、サトイモやタマネギなど、夏場の高温や少雨で不作なものもあった。レモンやグレープフルーツなど輸入品が多いものは、円安の影響で高い傾向が続いている」と分析している。

 県が11月19日~12月9日に、県魚市場、浦和中央青果市場、県石油業協同組合に聞き取り調査し、見通しを示した。

 調査によると、水産物は全体的に前年並みから高めの傾向。前年度と比べて高い傾向の水産物は、水揚げ量が減少しているイクラ、マグロなど。海水温の上昇による死滅や餌食いの悪さの影響で、ブリ(養殖)やハマチも高い傾向だ。アジ、サバ、イカは円安の影響による輸入品の高騰から、高い傾向にあるとされた。マダイやたらこなどは前年と同程度とされた。

 野菜は、全般的に前年通りの傾向。夏場の猛暑による高温障害の影響で、育成不良が散見されるサトイモ、タマネギ、ジャガイモ、エノキ、エリンギは高い傾向にある。生産が安定し順調な出荷が予想されるホウレンソウ、サツマイモ、マイタケなどは前年と同程度となった。キャベツ、ブロッコリーなどは安い傾向となった。

 果物は、全体的にやや安めから前年通りの傾向。レモンは、チリ産の入荷が12月に入り減少、米国産に移行するも気温上昇の影響により入荷数が減り、前年より高めの傾向が見込まれる。輸入品が多く、円安の影響で数年高い傾向にあるグレープフルーツは、やや高い傾向となった。出荷量が徐々に増加し、昨年を上回る見込みのイチゴは前年と同程度、大玉傾向で昨年より2割ほど出荷量が増える予定のミカンは、安い傾向だ。

 ガソリンの価格は前年に比べ安め、灯油の価格は変わらない見込みとなっている。国が物価高対策として、ガソリン・灯油ともに燃料油価格定額引き下げ措置を実施。ガソリンは、年内の暫定税率の廃止に向けて急激な価格変動による流通の混乱を抑えるため、補助金が段階的に拡充されており、値下がりが見込まれる。灯油は、人件費をはじめとする物価高騰による運営コストの上昇により、昨年同時期より値上がりしているが、年末年始の価格は現在の価格と変わらないとみられる。在庫量は、ガソリン・灯油とも十分に確保されている。

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