ごみ処理の広域化を推進 埼玉・東松山市、小川町など6市町村 協議会設置など合意 東松山市はごみ処理の広域化で過去に2回挫折 施設の老朽化も進み、待ったなしの状態
東松山市や小川町など比企地域6市町村は18日、ごみ処理の広域化推進について、協議会を設置することや、新ごみ処理施設を東松山市内に建設することなど6項目に合意し、基本合意書の締結式を東松山市総合会館で行った。東松山市はごみ処理の広域化で過去に2回挫折。施設の老朽化も進んでおり、待ったなしの状態となっている。
今回の基本合意は、(1)枠組みは東松山、小川、嵐山、滑川、ときがわ、東秩父の1市4町1村(2)新ごみ処理施設の建設予定地は東松山市内(3)広域化推進に向け協議会を設置(4)すべての種類のごみを共同処理(5)事業主体として一部事務組合を設立(6)温室効果ガス排出削減などを目指す―の6項目。建設費や運営費の負担割合など、これから設置する協議会で協議していく。
過去に比企地域では、9市町村で一部事務組合「埼玉中部資源循環組合」を設立し、ごみ処理の広域化を進めていたが、2020年に組合は解散。その後、東松山市は22年に川島町や桶川市と広域化推進で基本合意したが、翌年に建設候補地などが課題となり離脱。その後、市単独で新ごみ処理施設建設の検討を進めていた。
東松山市のごみ処理施設「市クリーンセンター」は1977年稼働開始で、老朽化が進み、近年は施設の補修費が年間2億円近くに上る。そこで新施設の建設を検討したが、物価の高騰で建設費が当初の想定の倍以上に。「市単独での建設は困難」として、小川町など5町村からなる小川地区衛生組合に、ごみ処理広域化についての協議を申し入れた。
同組合でも管内のごみ焼却場の老朽化が進み、2022年3月に稼働を停止。現在は可燃ごみの処理を寄居町内の民間業者に委託している。だが、長期的・安定的なごみ処理の在り方を見据え、6市町村での広域化について話し合うことになった。
市によると、現時点で想定している広域化後の施設は、可燃ごみが1日130トン、不燃・資源ごみが同21トンが処理できる規模。全体の整備費は約320億円を見込んでいる。稼働開始は35年度以降となる。
東松山市の森田光一市長は「これまで広域化を目指す中で紆余(うよ)曲折があったが、今回は小川地区衛生組合の理解を頂き、協定を締結できたことは市としてありがたい。今後はしっかり協議を進め、事業を進捗(しんちょく)させたい」。同組合の管理者の小川町の島田康弘町長は「スタートラインから走り出したところで、まだゴールは先。今後いろいろな課題は出てくるだろうが、協力してゴールにたどり着きたい」と話した。










