【動画】草加で「100年前の蓄音機」が現役演奏 往年のヒット曲など鑑賞「音の響きが素晴らしい」
心地よい雑音、ぬくもりのある音―。昭和初期の蓄音機から流れる豊かな音色を楽しむ「日曜の午後の蓄音機コンサート」が14日、埼玉県草加市住吉1丁目の市立歴史民俗資料館で開かれた。同資料館には収集家だった市民から寄贈された蓄音機が複数台あり、動態保存の一環として定期的にコンサートを開いている。同館によると、蓄音機で定期的にコンサートが開かれる例は全国的に珍しいという。
蓄音機の保存に協力するのは収集家で蓄音機に詳しい市内に住む竹澤里史さん(38)。竹澤さんと資料館職員が連携し、蓄音機を修理、管理、展示しながら、定期的にコンサートを開いている。
同館に展示されている蓄音機「キュマーベ」は、東京帝国大学で教授職を務めた隈部一雄工学博士が1932(昭和7)年に設計したとされる。正面扉の銘板には「No.4」の文字が刻まれ、同博士による4番目の試作だっだ可能性があるという。
この日は、竹澤さんがキュマーベを含む3台の蓄音機を操作し、持ち寄ったSPレコードをセット。レコードの針をその都度変え、蓄音機のゼンマイを巻くなど操作し音楽を奏でた。参加者はクリスマスソングや戦前戦後の往年のヒット曲、クラシックなど国内外の音楽に聴き入った。
竹澤さんはかけるレコードの時代背景や演奏家などについて分かりやすく説明。入手時の経緯や思い出、蓄音機から流れる音色の特色などについて語った。
毎回コンサートに参加しているという80代の女性は「とにかく音の響きが素晴らしい。好きな曲を聞くことができる」と蓄音機の音色に感動した様子だった。
竹澤さんは蓄音機の魅力に触れ「電気を一切使っていないのでより奏者やエンジニアに近い位置で音を楽しむことができる。100年くらい前の機材を今も変わらず直して使うことができる」と話している。










