埼玉新聞

 

ロッテの社長が小学校で授業 「かけ算」で困りごと解決 新しいものを生み出す「ロッテノベーション」 児童が新商品の企画に挑戦

  • 「ロッテノベーション」の考え方を紹介するロッテの中島英樹社長=8日、さいたま市浦和区の埼玉大学教育学部付属小学校

    「ロッテノベーション」の考え方を紹介するロッテの中島英樹社長=8日、さいたま市浦和区の埼玉大学教育学部付属小学校

  • 「ロッテノベーション」の考え方を紹介するロッテの中島英樹社長=8日、さいたま市浦和区の埼玉大学教育学部付属小学校

 お菓子開発について考えるワークを通して創造的思考力を育もうと、大手菓子メーカー「ロッテ」の中島英樹社長による食育出張授業が8日、埼玉大学教育学部付属小学校(さいたま市浦和区)で実施された。「かけ算」の発想で困りごとを解決し、新しいものを生み出す「ロッテノベーション」をもとに、5年生66人が「おかし開発室」のメンバーになりきって商品企画に挑戦した。

 「どんなガムが食べたい?」。児童からは「味が長持ちするガム」「柔らかいガム」といった声が上がる。中島社長によると、40年前にガムの開発者が悩んでいたのは「ガムを食べると虫歯になってしまう」ということだった。考え続けた結果、開発されたのがキシリトールガムだ。

 ロッテノベーションの考えのもと、多くの人気商品が誕生している。例えば「チョコパイ」は、特別な食べ物かつ日持ちしない「ケーキ」を「気軽」に味わうことを目指し開発された。パウチ容器に入った「クーリッシュ」は、「ペットボトル」とのかけ算で生まれた、いつ・どこでも食べられるアイスだ。

 「困りごとの解決だけでなく、みんなの願いをかなえることを大切にしている」と中島社長が説明した後、児童たちは「おかし開発室」のメンバーとして新商品の企画に挑戦。「チョコとあめをかけ算した『チョコあめ』。溶けないから長い時間チョコを楽しめる」「アイス容器の一部を半透明のプラスチックにして、中身が見えるようにする」といったアイデアが発表された。中島社長は「ロッテノベーションの考え方は、学校生活やイベントなど身近な場面でも活用できる。応用して使ってみてください」と呼びかけた。

 授業に参加した入江海斗さん(11)は「考え方の工夫を知ることができ、面白かった。考えることが好きなので、算数の場面に生かせそう」と笑顔。石橋愛佳さん(11)は「みんなのアイデアを聞くのが楽しかった」と話していた。

 同社は2021年から、全国の小学校高学年を対象に出張授業を開始。社員らが講師を務め、これまでに約460校で実施している。

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