「想像以上に大変だった」「妻に改めて感謝したい」 妊婦体験で床に落ちたペットボトルや靴下などを拾う 埼玉・上尾の産業祭で体験ブース 男子高校生が中心となり提案
住宅メーカーのアイダ設計(上尾市、會田貞光社長)は同市の市民体育館周辺で2日間、開催した「第50回あげお産業祭」で、県立富士見高校(富士見市、池田泰校長)と組んで産学協働ブースを出展した。ブースは男子高校生が中心となり提案した「妊婦体験会」で地域企業と高校生が連携し、社会課題を発信する機会となった。
両者の出会いは、県内高校生が対象のアイデアコンテスト「SDGs QUEST みらい甲子園埼玉県大会」がきっかけ。特別協賛を務めるアイダ設計が昨年、同高のチーム「ぼくたちママ応援隊」に「アイダ設計賞」を贈った。
「ぼくたちママ応援隊」は富士見市の少子化問題に取り組んでいこうと、男子高校生を中心に結成。パパ向けスキル教室や祖父母向け子育て支援教室など、多角的に子育て中の母親をサポートしている。また活動を同市議会議場で提案するなど、地域全体で子育てを支える環境整備を目指している。
ブース出展に向けては、5月から打合せを開始。勉強の合間を縫って準備を進めてきた。
「実際の暮らしに近い形で体験会を実施したい」と、同社の職人が3段の木製階段を製作。妊婦体験キットを装着した来場者が、床に落ちたペットボトルや靴下などを拾うリアルな体験が実現した。
ブースには市内外から参加。おそろいの法被とTシャツを身にまとった高校生の隊員が、体験の呼び込みや補助を行った。ボードには、日常生活では見落としがちな家事を一覧にした「名もなき家事リスト」を掲示。「パパ決意表明」には、家族に向けたお手伝い宣言を来場者が書き込んでいた。
参加者からは「想像以上に大変だった」「妻に改めて感謝したい」といった声が寄せられたという。隊長の伊藤真貴さんは「活動の場を用意していただき、かけがえのない経験になった。この活動を後輩たちにも引き継いで、富士見高校から子育ての意識を変えていきたい」と話した。
會田大輔専務は「プロジェクトを通じて、成功体験とともに課題も経験されたはず。この経験が人生の糧になることを確信するとともに、貴重な機会をつくれたことを喜ばしく思う」と話した。










