埼玉新聞

 

女性保育士が虐待…園児の胸をたたく、体を強く押す さいたまの保育所 虐待を目撃した職員が施設長に報告 報告後も勤務続けたため市に通報→立ち入り調査 すでに保育士は退職

  • 【地図】さいたま市中央区

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 さいたま市は1日、同市中央区の私立認可保育所に通う園児が、担任の女性保育士(43)から胸をたたくなどの虐待を受けたと発表した。

 同市保育施設支援課によると、女性保育士は11月5日、おやつの時間や本の読み聞かせの際に、園児の胸を手の甲でたたく、顔をつかみ保育士の方を向かせる、体を強く押すなどの虐待行為を行った。

 虐待を目撃した職員が施設長に報告したが、女性保育士が6日以降も勤務を続けたため、職員は13日に市に通報。14日に施設長が女性保育士と面談し行為を認めたため、15日以降は出勤停止となった。女性保育士は「おやつの時間にエプロンを着けなかったから躍起になった」「ごちそうさまをしなかったから読み聞かせにくる資格がないと押してしまった」などと話したという。

 市は20、25日に立ち入り調査を実施し、施設長らへの聞き取りや防犯カメラ映像の確認を行った。施設長は「気が動転して市への報告が遅れた」と説明したという。市は28日に虐待行為と判断し、施設長が浦和西署に通報した。

 女性保育士は2023年4月から同保育所で正職員として勤務し、11月末で退職した。被害を受けた園児にけがはなく、その後も登園している。他の園児への被害は確認されていない。

 市は28日にも、同市南区の私立認可保育所で虐待があったと発表しており、近く市内の全保育施設に注意喚起し、虐待に関する研修を案内するという。

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