社長死亡…殴られ頭蓋骨陥没、さらに放火され息を引き取った43歳 下請けの男に懲役30年を求刑「遺族の方に大変つらい思いをさせて申し訳ない」 殺害を示唆するメッセージは「冗談だった」
2022年5月、朝霞市の内装会社社長の男性=当時(43)=を暴行し、事務所に放火して殺害したとして、殺人や現住建造物等放火、詐欺などの罪に問われた、住所不定、無職の男(40)の裁判員裁判の論告求刑公判が28日、さいたま地裁(井下田英樹裁判長)で開かれた。検察側は懲役30年を求刑。弁護側は殺人や放火などは無罪を主張し、執行猶予付き判決を求めた。判決は12月5日。
検察側は論告で、共犯の男(34)=懲役23年で確定=の証言や、男性を殺害する動機があったことなどから、共謀して犯行に及んだと主張。40歳男から共犯男に、報酬を示した上で犯行を示唆するメッセージを送るなど主導的な役割を担ったとし、男性に暴行を加えた後に火を付ける犯行は「強固な殺意があり、危険かつ残忍な犯行」と非難した。
弁護側は、40歳男が共犯男に殺害を示唆するメッセージを送ったのは冗談で、共犯男も事件まで半信半疑だったと主張。共犯男には男性に対して仕事上の恨みがあり、40歳男は男性を殺害するメリットがないなどとし、殺人や放火は成立しないとした。
40歳男はこれまでの公判で、殺人や放火への関与を否認。最終意見陳述で「私がしたことで、男性や遺族の方に大変つらく苦しい思いをさせて申し訳ない。私は本当のことを話しました。公正な判断をお願いします」と述べた。
起訴状などによると、40歳男は仕事仲間の男と共謀し、22年5月14日、朝霞市の「長葭内装」事務所兼作業場で、男性の頭部を複数回殴打して頭蓋骨陥没骨折などの傷害を負わせた上、放火して男性を急性一酸化炭素中毒などで死亡させたとされる。
■「一緒にいた男が突然殴り始め、火を付けた」共犯男は懲役23年確定(以下、初公判時の記事)
2022年5月、朝霞市の内装会社社長の男性=当時(43)=に暴行を加え、事務所に放火して殺害したとして、殺人や現住建造物等放火、詐欺などの罪に問われた、住所不定、無職の男(40)の裁判員裁判の初公判が11月14日、さいたま地裁(井下田英樹裁判長)で開かれた。40歳男は「私は暴力は振るっていない。火も付けていない。共謀もない」と起訴内容を否認した。判決は12月5日。
検察側は冒頭陳述で、40歳男は当時内装業を営み、男性の内装会社の下請けだったと説明。40歳男は競艇などの出費により下請け業者への支払いに窮し、事件前に40歳男の下請けだった共犯の男(34)=懲役23年の判決確定=に対し、男性を殺害して金銭を請求するようにするなど「協力を持ちかけた」と指摘した。
弁護側は共犯の34歳男が仕事上でのトラブルを抱え、「34歳男が突然殴り始め、火を付けた。40歳男はその場にいたが、事件後は34歳男を引き離して事務所から離れた」と殺人と放火の実行行為への関与を否定した。
検察側の証拠調べも行われ、40歳男が事件前に共犯の34歳男に男性の殺害を示唆するメッセージを送り、警察の捜査前にその履歴を消したことや、事件直後に服を購入して着替えて現場に向かったことなどを説明した。
起訴状などによると、40歳男は共犯の34歳男と共謀し、22年5月14日、朝霞市の「長葭内装」事務所兼作業場で、男性の頭部を複数回殴打して頭蓋骨陥没骨折などの傷害を負わせた上、同所に放火して男性を急性一酸化炭素中毒などで死亡させたとされる。また、同年6月3日に長葭内装から請け負った工事に関して不正に水増し請求し、同社から水増し金額19万8千円をだまし取ったなどとされる。










