<高校サッカー>昌平、PK戦制し4強 粘る浦和学院を振り切る 成徳大深谷、3年ぶり準決勝進出 序盤のリード守り聖望学園に勝利
(第4日、1日・浦和駒場スタジアム=埼玉新聞社など後援)
準々決勝2試合を行い、昌平が浦和学院に2―2からのPK戦を制し、準決勝に進出。成徳大深谷は聖望学園に2―1で競り勝った。4強入りは昌平が2年ぶり11度目。成徳大深谷が3年ぶり3度目。
第5日は2日、浦和駒場スタジアムで準々決勝の残り2試合を実施。武南―西武台(午前11時5分)、細田学園―浦和東(午後1時35分)のカードで行われ、4強が出そろう。
■戦評/昌平―浦和学院
昌平が2―2からのPK戦の末、粘る浦和学院を振り切った。
昌平は0―1の後半14分に長が同点ゴール。同34分に勝ち越しを許すも、同追加タイムに森井がCKに頭で合わせ、土壇場で追い付いた。延長戦で決着がつかず、PK戦ではGK土渕が2本止めて勝利を手繰り寄せた。浦和学院は先制したが、自陣で時間を費やし一歩及ばなかった。
■2度の劣勢、終盤底力/昌平
6月の全国高校総体県予選を制した昌平が苦しみながらも準決勝に駒を進めた。芦田監督は「初戦で動きが硬かった。相手との距離感が悪かった」と攻守で精彩を欠いた。最後はPK戦で紙一重の勝利をつかみ、選手全員で喜びを分かち合った。
前半から山口、長を起点に敵陣での時間を増やしたが、同36分に先制点を奪われた。後半はボールを保持しながら攻撃の糸口を探ると、同14分、長が中央からドリブルで突破すると右足を振り抜き、同点弾を突き刺した。
同34分に再び失点しリードを許すも土壇場で底力を発揮する。同追加タイムに、CKに森井が頭で合わせて追い付いた。森井は「時間がなかったので前だけを見ていた。ゴールへ向かって行った」と起死回生の一撃だった。
延長後半終了間際に途中出場したGK土渕が勝利を呼び込む。PK戦で土渕は「ぎりぎりまでボールを見て跳んだ」と好セーブを連発。身長197センチの大型GKが相手に立ちはだかり、強豪のプライドを勝利という形で示した。
■戦評/成徳大深谷―聖望学園
序盤に築いたリードを守り抜いた成徳大深谷が2―1で聖望学園に勝利した。
成徳大深谷は前半12分、川上のパスに右サイドバックの菅井が攻め上がり、右足で逆サイドネットに決めて先制した。同19分には、ゴール前で頓宮からのパスを受けた鯨井が追加点を奪った。聖望学園は前半追加タイムに田中が1点を挙げたが、及ばなかった。
■狙い体現、流れ掌握/成徳大深谷
成徳大深谷が狙い通りの一撃で勝利の流れを手繰り寄せた。為谷監督は「立ち上がりに得点を取れてしまったから、びっくりした。でも、チャンスがあるとしたら菅井のような得点だと思っていた」と驚きと同時に、練習の成果だったと強調した。
鮮やかな先制点だった。前半12分に川上が起点となりパスを送ると、右サイドバックの菅井がスペースに疾走。「常にオーバーラップは狙っている。シュートは完璧だった」とドリブルで前へ進めると豪快な一振りでネットを揺らした。
7分後には、鯨井の2戦連発となる得点で突き放した。今季3戦3勝だった聖望学園を相手に為谷監督が心配していたのは「油断」だった。それでも選手たちからは、「絶対に勝つから大丈夫です」と心強い言葉を受け、信じて送り出した。
前半に1点を返されたが、GK本田の好セーブなどで1点差を守り切った。次に対戦する昌平トップチームとの公式戦は2022年の県高校総体決勝(1―2で敗戦)以来。鯨井は「埼玉スタジアムに行きたい」と力強く言い切った。










