埼玉新聞

 

発がん性…PFASを検出 所沢で初の指針値超 今月落成、最終処分場の地下水から 発生源や原因は不明 今後は新座、三芳を含む半径500メートル内の井戸を調査 市、周辺の井戸水を飲まないよう呼びかけ

  • 【地図】所沢市

    指針値超のPFAS 処分場の地下水から検出された所沢市の位置

  • 【地図】所沢市

 所沢市は24日、今月落成した同市南永井の廃棄物最終処分場の地下水から、発がん性の疑われる有機フッ素化合物(PFAS)が、国の指針値を超える数値が検出されたと発表した。PFASの代表物質のPFOSとPFOAの合算値が1リットル当たり50ナノグラム(ナノは10億分の1)の指針値に対し、3カ所で92~160ナノグラムを検出。発生源や原因は不明で、市で調査を進める。

 市資源循環推進課などによると、最終処分場の埋め立て開始前の9月上旬、鉛やヒ素など27項目の法定項目とダイオキシン類を調査。加えて敷地内5カ所の地下10~15メートルの地下水でPFOSとPFOAの合算値を調査した。法定項目には問題がなかったため、最終処分場は23日から予定通り埋め立てを開始している。

 今後は隣接する新座市、三芳町の一部を含む半径500メートル内にある井戸を調査し、汚染状況を公表する予定。周辺住民にはチラシを配布し、井戸水を飲用しないよう呼びかける。同課の担当者は「水道を使って生活していれば健康に被害はない。周辺の井戸水を使っている人がいれば、飲むのはいったん控えてほしい」と話した。

 市内では2021年から7カ所でPFASの調査をしており、指針値を超えたのは初めて。

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