埼玉新聞

 

母娘が恐怖…寝ていると窓が割れ、男ら襲いかかる 深夜に自宅で 口ふさぎ暴行した21歳と25歳に懲役6年、35歳に懲役8年 「軽い程度」と減刑を求めた弁護士 裁判長「まだ社会復帰できる年齢。しっかり反省を」

  • 【裁判所】さいたま地裁=さいたま市浦和区高砂

    さいたま地裁=さいたま市浦和区高砂

  • 【地図】さいたま市西区

    事件が起こったさいたま市西区

  • 【裁判所】さいたま地裁=さいたま市浦和区高砂
  • 【地図】さいたま市西区

 さいたま市西区の住宅に昨年9月18日、男らが押し入った強盗事件に実行役として関与したとして強盗致傷などの罪に問われた、いずれも無職の矢作雄馬被告(35)、渡辺陸被告(25)、飯野夢真被告(21)の裁判員裁判の判決公判が21日、さいたま地裁で開かれた。小池健治裁判長は矢作被告に懲役8年、飯野被告と渡辺被告に懲役6年を言い渡した。

 小池裁判長は判決理由で、被告人らが被害者2人をロープで縛るなどした犯行態様を「悪質で、強い恐怖、精神的苦痛を与えた」と非難し、「警察に頼るなどして思いとどまるべきだった」と指摘。一方、判決言い渡し後、「まだ社会に復帰できる年齢。しっかり反省してほしい」と説諭した。

 検察側は「組織的で計画性の高い犯行」として、渡辺被告と飯野被告に懲役9年、別の特殊詐欺にも関わったとして矢作被告に懲役12年を求刑していた。弁護側は被害者2人のけがの程度が軽いことなどから減軽を求めていた。

 判決などによると、被告らは交流サイト(SNS)の「闇バイト」に応じて他の実行役の男や氏名不詳者らと共謀し、昨年9月18日、同市西区の住宅に侵入し、母親と娘を粘着テープで縛り口をふさぐなどの暴行を加え、現金約10万8千円と財布など(時価計約4万円)を奪った。実行役の男は今年5月、同地裁で懲役7年を言い渡された。

■近隣住民が110番 自力でテープを解いた母娘(以下、初報記事)

 2024年9月18日午前1時ごろ、さいたま市西区指扇の一戸建て住宅に男3人が侵入し、同所に住む母娘を粘着テープのような物で縛り、財布などを奪い逃走した。

 大宮西署によると、男らは住宅の勝手口の窓を割って家屋内に侵入。この家に住み就寝中だった80代母親と娘の60代女性に対して「金目の物を出せ」と脅迫して、粘着テープのような物で縛った上で、家屋内を物色し、財布などを奪い逃走した。女性2人にけがはなかった。

 女性らは自力でテープを解き、近隣住民の女性に助けを求め、応じた近隣住民の女性が「泥棒に入られたから110番してほしいと頼まれた」と110番した。

 男らはいずれも20代くらいで身長165~170センチ、黒色ニット帽をかぶっており、3人のうち2人はそれぞれ赤色トレーナーと緑色のトレーナーを着ていたという。
 

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