埼玉新聞

 

必死にATMを操作する女性…不審に思った男性、声掛けるも信用されず 女性方を訪れ家族を説得、詐欺被害防ぐ 感謝された男性、じつは中学教諭 生徒に「困っている人いたら手を差し伸べられる人になって」

  • 佐久雄一郎蕨署長から感謝状を受ける佐藤勝さん

    佐久雄一郎蕨署長から感謝状を受ける佐藤勝さん=10日午後、蕨署

  • 佐久雄一郎蕨署長から感謝状を受ける佐藤勝さん

 詐欺被害を未然に防いだとして埼玉県警蕨署は10日、草加市立新栄中学校教諭の佐藤勝さん(63)に感謝状を贈った。

 同署によると佐藤さんは8月9日午後0時50分ごろ、蕨市内の金融機関で高齢女性が携帯電話で話しながらATMを操作しているのを発見。女性に声をかけ、被害を未然に防いだ。会話の中に「還付金」と聞こえてきたことを不審に思い、声をかけたという。

 女性は市役所職員を名乗る者から「すぐに銀行に行ってほしい」と言われ、ATM操作を指示され、あわてて、必死な様子だったという。同日は土曜日。佐藤さんは土曜日に市役所職員から携帯電話に連絡があることが不自然と伝えたが女性はすぐには信用しなかった。佐藤さんは自身の身分を明かし、女性方を訪れて家族を説得し、女性とともに交番に届け出た。

 佐久雄一郎署長から感謝状を手渡された佐藤さんは「少し手助けができたかな」と控えめな様子。生徒に伝えたいことは「困っている人がいたら、手を差し伸べられる人になってほしい」ことという。

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