埼玉新聞

 

八潮陥没「補償適切に」 埼玉県議会の特別委 決議と意見書を可決

  • 【地図】八潮市

    八潮市の位置

  • 【地図】八潮市

 埼玉県議会の八潮市道路陥没事故調査等特別委員会(宇田川幸夫委員長)は9日、県に対して今後も適切に補償に関する対応などを求める「道路陥没事故に係る住民・事業者に寄り添ったきめ細やかな支援等を求める決議」と、国に対する「復旧事業費等における財政措置を求める意見書」などの計4案を可決した。15日の本会議で可決する見通し。

 委員会では、原因究明委員会の中間取りまとめや、補償の実施状況などの報告が行われた。その他の補償申込書の承諾事項に「この契約に基づくもののほか、一切請求しない」と記載されていることについて、冷たい印象を与えるとの意見が示され、中川流域下水道関連市町の負担が72億円を超える見通しであることから、地方自治体と住民の負担がないよう最大限の財政措置を行うことを求めた。

 質疑応答を踏まえ、健康被害対応を始めとした事故関連の対応にプッシュ型で財源措置や人員派遣を行うことや、住民対応経験や知見の多い職員の配置や民間に協力を求めるなど、真に寄り添った対応が行える体制をつくることが提言された。

 宇田川委員長は取材に、1世帯当たり3万円、世帯人員1人につき2万円、事業者には一律10万円を補償する「その他の補償」について、国の補助を前提とした増額を求めていく考えを示し、「(その他の補償は)これが最後じゃないということが委員会のメッセージ」と述べた。

ツイート シェア シェア