埼玉新聞

 

「学問の神様」が受験生出迎え 先輩が「天神様人形」制作しエール 現在は岩槻区内で展示中 埼玉・開智中

  • 岩槻人形のプロジェクトに取り組んだ生徒たちと指導した同校の三原忠教諭(後列左)=埼玉県さいたま市岩槻区の開智中学校

    岩槻人形のプロジェクトに取り組んだ生徒たちと指導した同校の三原忠教諭(後列左)=埼玉県さいたま市岩槻区の開智中学校

  • 生徒たちが制作した天神様人形

    生徒たちが制作した天神様人形

  • 岩槻人形のプロジェクトに取り組んだ生徒たちと指導した同校の三原忠教諭(後列左)=埼玉県さいたま市岩槻区の開智中学校
  • 生徒たちが制作した天神様人形

 さいたま市岩槻区の開智中学校の生徒たちが、同区の伝統産業である人形作りに挑戦した。生徒らは学問の神様である菅原道真公をかたどった「天神様」人形を制作。作品は岩槻駅周辺で開催中のイベント「まちかど雛(ひな)めぐり」の会場などに展示されている。

 同校の「地域貢献型探究活動」の一環で、岩槻の伝統産業である人形を探究するプロジェクトとして2年生7人が取り組んだ。生徒たちは昨年8月から岩槻の人形工房を訪問し、人形の制作現場を見学したり、人形作りの工程を体験するなど学びを深めてきた。

 生徒の1人から「天神様人形を作って受験生を応援しよう」とアイデアが上がり、昨年10月から人形制作が始まった。区内の人形工房の協力の下、伝統的な人形作りに使われる桐塑(とうそ)の生地に衣装を着せ付ける「木目込み」や、面相描きにも挑戦。冬休みも使って計13体の天神様人形を完成させた。

 「実際に作ってみて難しかったが、いろいろな発見があって楽しかった」と藤丸真奈さん。中島優葵さんは「1体1体を作るのにとても時間がかかった。もっとみんなに岩槻人形を知ってもらいたい」。池田結香さんは「自分で作ってみて、お店に売っている人形をじっくりと見るようになった」と話していた。

 生徒たちが制作した人形は1月に行われた同校の入試当日、受付に展示された。「受験生や保護者が写真を撮ってくれてうれしかった。自分たちの作品をきっかけに、岩槻人形への関心を広げていければ」と生徒たちは話していた。

 天神様人形は、「まちかど雛めぐり」(3月12日まで)が開催されている東玉大正館(同区本町)、ほてい家(同区仲町)で見ることができるほか、岩槻駅改札前のガラスケースにも展示されている。

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