埼玉新聞

 

歩いてお得!移動距離でポイント、靴や食品と交換 徒歩や自転車移動で健康増進&脱炭素 入間市が実証実験

  • 埼玉県入間市内外の協賛企業が特典を提供した脱炭素ポイントの交換会=19日午後

    埼玉県入間市内外の協賛企業が特典を提供した脱炭素ポイントの交換会=19日午後

  • 埼玉県入間市内外の協賛企業が特典を提供した脱炭素ポイントの交換会=19日午後

 入間市は、徒歩や自転車で移動した距離に応じ特典が得られる実証事業「サスティナブルウォークいるまいる」を1月から実施している。脱炭素社会の実現に向け経済産業省と連携した取り組みで、県内では初めてという。2月22日時点で500人が参加し、市は3月までの期間中に二酸化炭素(CO2)排出量削減1千キログラムを目指す。

 実証事業はアプリ「SPOBY」をスマートフォンにダウンロード。スマホを持って歩くと、衛星利用測位システム(GPS)によって運動量が記録される。自動車などを使わず、歩いたり自転車で移動したりした距離などに応じてポイントがたまり、特典と交換することができる。

 ポイントは現在地から直線距離で750メートル以上離れた場所に移動すると、たまっていく仕組みだ。

 19日には市内の商業施設内で、ポイントと特典の交換が行われた。特典は市内外の協賛企業から、靴や狭山茶のティーバッグ、食事券などが提供された。参加者はスマホの画面を示しながら特典と交換していた。

 アプリでためたポイントを食品と交換した市内の50代女性は、実証事業について「この2週間ぐらい歩いた。健康のためにも良いと思う」と話した。

 会場では「脱炭素型ライフスタイルワークショップ」も開催。地域商材のプロデュースなどに取り組む「ハピキラFACTORY」の正能茉優代表取締役ら4人のパネリストと入間青年会議所の若手経営者らが、「2050年のライフスタイル」として行動すべきことを巡り討論した。

 市によると、実証事業に伴う1月12日~2月12日の脱炭素量は約746キログラム。ガソリンの自動車を約3千キロ走行させた量に相当する。市民1万人が参加して1年間にわたり事業に取り組んだ場合、年間284トンの脱炭素を推進することができるという。

 市の担当者は「アプリをきっかけに歩くことで、脱炭素と共に健康増進を目指す部分もある。地元の企業に特典を出してもらうことに地域活性化にもつながる」と説明。「脱炭素はとっつきにくいが、意識を高めるだけでなく行動にも結び付けたい」と話している。

 「いるまいる」と同様の取り組みは北海道帯広市や青森県弘前市などでも行われている。

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