埼玉新聞

 

発達障害の子を支援、宮代に支援センターを開設 悩む保護者に希望を マンツーマンで集団生活適応へ支援

  • ムクノキを使ったドーム型多目的スペースを紹介する川岸恵子さん

  • 4月に開園した児童発達支援センターこころ園

 県北東部で障害者支援事業などを展開する特定非営利活動法人あかりは、宮代町国納に児童発達支援センター「こころ園」を開設した。同センターは、子どもの発達に悩んでいる保護者に向け「一人で抱え込まず、まずは相談してほしい」と話している。

 「こころ園」は今年4月、前身となる2施設を統合、定員を増やす形で開設した。施設は、利根地域療育センター、相談支援事業所を併設。ムクノキをふんだんに使ったドーム型多目的スペースを備える。

 あかり代表理事の川岸恵子さんによると、幼稚園、保育園に入園した後、集団になじめない、入園を断られたなど、相談を受けるケースが多いという。

 こころ園では子ども1人を職員がマンツーマンで支援。川岸さんは「幼児期に人とコミュニケーションが取れるようになることは、その後の人生に大きな影響を与える」と話す。

 開設以来、「こころ園」には周辺地域を中心に、発達に不安がある就学前の子ども30人以上が通園。集団生活に適応する支援を受けている。園への送迎は原則保護者が行う。

 「送り迎えを通じて、今日あったことをスタッフが親に伝えることができる、ママ友や気が許せる仲間ができることで、子育てに希望が持てるようになる」と川岸さん。

 幼稚園や保育園と併用し通園する子どももいるという。「こころ園」に長期通園することが目的ではなく、集団に慣れたら、幼稚園、保育園に復帰する。連携を図るため、職員が幼稚園や保育園に訪問。子どもの特徴にあった支援をアドバイスする事業も行っている。

 「簡単なアドバイスで子どもの居場所が増える。子どもは褒めながらできることを向上させ、できないところを引き上げることが大切」と川岸さんは話す。通園形式の「こころ園」とは別に、地域療育センター、相談支援事業所を設置。臨床心理士、言語聴覚士など専門員が、個別療育を実施、相談に応じている。

 「こころ園」問い合わせは、あかり久喜事務センター(電話0480・24・2060)へ。

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